飯田)習近平政権は3期目を迎えて、顔ぶれ一新という形になりました。 峯村)衝撃だったのは、第20回中国共産党大会の閉幕式で起きた「胡錦濤強制退場事件」です。中国政治の中枢、中南海をずっと取材し続けていますが、習近平政権の3期目を占う上でも、大きな事件だったと見ています。胡錦濤氏に連なる「共青団」というグループがいるのですが。 飯田)共産主義青年団。 峯村)特に日本メディアでは「習近平 VS 胡錦濤派」などと言われますが、必ずしも正しい構図とは言えません。 習近平政権のロケットスタートを支えた胡錦濤氏 ~院政を敷かず、恩人でもある峯村)2012年に習近平氏が総書記になって、ロケットスタートで反腐敗に動き、権力を「バチッ」と固めることができた。それができたのは、胡錦濤氏がすべての権力を習氏に譲り渡し、院政も敷かず、「口出しをしない」ことを約束したからです。そういう意味では、習近平氏にとってみる