小島 仁藤さんに初めてお会いしたのは2015年、雑誌『AERA』(朝日新聞出版)の連載「小島慶子の幸複論」に登場していただいた時でした。 仁藤 テレビで見る小島さんはいつも的確にズバッと意見を言ってくれる、尊敬する先輩女性像です。そんな小島さんも、お母様との関係でずっと苦しんできたことを知って、励まされました。それで私の『難民高校生』が文庫化(2016年、ちくま文庫)される時に、これを手に取ってくれる人たちが小島さんの人生やその姿にも触れられたらいいなと思って、解説をお願いしたんです。高校生たちが読んでも「うざい」と思わないような(笑)、大人の上から目線でない解説を書いていただけて、とてもうれしかったです。ありがとうございました。 小島 私も高校生の頃、毎日「家に帰りたくない」と思っていましたから。街でさんざんウロウロと寄り道して、でも他にどこにも帰る場所なんかない、その行き場のなさという