製薬会社ノバルティスファーマの降圧剤「バルサルタン」の臨床研究に、同社の社員(当時)が関与していた利益相反問題について、同研究で中心となった松原弘明教授(同)が所属していた京都府立医科大は11日、「本臨床研究で提示された結論には誤りがあった可能性が高い」と結論付ける調査報告を公表した。松原元教授の論文の基となる臨床データの解析を担当した元社員のほか、複数の研究員がデータ操作に関与した疑いも浮上したが、元社員に対する聞き取り調査が行えなかったとして、「推測」との表現にとどまった。 記者会見で謝罪する吉川学長=中央=ら(11日、京都府立医科大) 2008年8月から12年9月までに、松原元教授らの研究グループが発表した7本の論文では、バルサルタンについて、通常の降圧効果に加えて、脳卒中や狭心症などの心血管疾患の発生率を下げる効果があると結論付けている。 だが、京都府立医科大が外部機関に委託した