学校法人「森友学園」への国有地取引を巡る一連の問題で、告発された佐川宣寿・前国税庁長官らが不起訴処分となった31日、問題を追及してきた人たちからは一斉に「幕引きにはさせない」との声があがった。舞台は検察審査会(検審)に移るほか、国会でも追及の手は緩みそうにない。【山崎征克、松本紫帆、岡大介】 「検察は不起訴ありきで理屈を並べたとしか思えない。国民は何を信じたらいいのか」。財務省の決裁文書改ざんなどを巡り、大阪地検特捜部に告発状を出した上脇博之・神戸学院大教授は神戸市内で記者会見し、怒りを隠さなかった。 上脇教授は「これが犯罪にならないなら、政治家は役人に公文書の改ざんや廃棄を自由に指示できる。政治家にとっては天国。ますます政治不信が強まりかねない」と検察を非難した。特捜部の不起訴処分を不服として、来週にも検審に申し立てる。