一時期、「外圧(ガイアツ)」という言葉が流行った事があります。外国から圧力を受けるような事は、日本人としては忌避したいのが普通なのでしょうが、この「外圧」については、不思議な事に、しばしば前向きに受け取られました。「もう、こうなれば、外圧にでも頼るしかないのかなァ」というような事が、しばしば囁かれたのです。 ことほど左様に、日本では「既得権」を守ろうとする力の壁は厚く、政治家も官僚も、色々な思惑から、そちらの方に加担する事が多いようなのです。既得権に風穴を開けようとする側も、政治家や官僚と事を構えれば、後でいろいろな面で不利を招く恐れがある事から、ついつい弱気になり、そのような「しがらみ」を持たない外国人に前面に立ってもらうことを期待する破目になるのだと思います。 情報通信産業の分野で「外圧」が猛威を振るったのは、もう三十年近くも前に、NTTの半導体の購買方針を巡って、Intel やTIが