石原慎太郎・東京都知事の同性愛者べっ視と取れる発言が、今月だけで2度、小紙で報じられた。石原氏はデビュー作「太陽の季節」以来、トリックスターとして人気を集めてきたが、“弱い者いじめ”を繰り返すようでは、そろそろ潮時だろう▼愛媛県では、同性愛者や性同一性障害者の団体「レインボープライド愛媛」が国政、地方選挙で繰り返し、性的少数者についてのアンケートを実施。理解や共感の有無は別にしても、ほとんどの候補者が差別は許されないという健全な感覚を共通していた▼今、トリックスター的な首長は、石原氏だけではない。ある種の確信犯的な常識外れの言動の中に、弱者への共感や目配りがあるかどうかが、真がんを見極めるポイントだと思う。【栗田亨】