ブックマーク / shinka3.exblog.jp (6)

  • 筆頭著者の記者会見と連名著者の責任 | 5号館を出て

    日、筆頭著者の記者会見がありました。ねつ造などが指摘されているNatureの論文2ともの筆頭著者です。 いつものようにすごい論文や興味深い論文の紹介記事ではないので気が重いのですが、すんなりと世の中に受け入れられていたら歴史的論文となる可能性もあった2編です。 Articleと呼ばれる長い論文の著者は8名、Letterと呼ばれる短い論文の著者は11名で、いずれも筆頭著者は同じです。筆頭著者の次に重要な責任著者とも言われる最後にクレジットされるLast authorはそれぞれ異なります。 この2編ともの論文に疑義が生じていますので、両者の筆頭著者の責任は非常に大きいということは誰でもが思っていることです。この論文が発表された時に国内でのプレスリリースの舞台になったのが理研CDB(発生再生科学総合研究センター)でプレスリリースでは理研の成果として発表されていましたので、その結果生じた責任問

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  • そこそこの科学者の叫び | 5号館を出て

    著者はイタリアの研究者で、ヨーロッパの研究費に応募して、審査の最終段階まで行ったらしいのですが、研究費の審査員が「あなたの申請研究は興味深く、著者は論文もよく出しているし、研究計画も良く書けているけれども、申請は不採択です」という理由が、彼が「良い研究者」だけれども「傑出した研究者」ではないからということでした。最近はいつもこんな調子で研究費がはねられているようです。 もっともノーベル賞(医学・物理・化学)の選考理由となるような重要な論文でも、そのうち30%は研究費をもらっていないというデータもあるのだそうです(John P. A. Ioannidis in Nature 477,529–531 2011)から、驚くべきことでもないのかもしれません。 それよりも著者を落ち込ませたのは、ある大学院生に彼の研究室で博士課程の研究をやらないかと誘ったのを、そんなことをやっていても将来お金を稼げる

    そこそこの科学者の叫び | 5号館を出て
  • 大卒が就職できないのもポスドクが就職できないのも理由はひとつ | 5号館を出て

    世の中の経済活動は、基的にはすべて需給バランスで動いていると考えても良いのではないでしょうか。 大学卒業生がどんどん多くなっているのに、経済状態はとてもどんどん発展しているという状況ではなく、多くの大学卒業生が望むホワイトカラーの就職先はそれほど増えていません。ポスドクのケースも好意的に考えると、文科省はこれからは学卒ではなく修士卒、博士卒、さらにはポスドクを必要とする企業がどんどん増えてくるだろうから、大学院を充実させ、博士ならびにポスドク経験者を大量に生産しておこうと思ったのかもしれません。しかし、増加する学卒を吸収できない程度の経済発展しかしていない状況のもとでは、さらに高学歴を求める企業はやはり増えなかったのです。 それにしても、新聞・テレビがこぞって同じような報道をするのにはやはりうんざりしますね。こちらが朝日新聞に掲載された、いかに今年の大卒予定者の就職内定率が悪いかというグ

    大卒が就職できないのもポスドクが就職できないのも理由はひとつ | 5号館を出て
    scicom
    scicom 2011/01/19
    うーむ。なんか他人事のような語り口RT @TopsyRT: 大卒が就職できないのもポスドクが就職できないのも理由はひとつ
  • 榎木英介著: 博士漂流時代 「余った博士」はどうなるか? | 5号館を出て

    博士漂流時代 「余った博士」はどうなるか? (DISCOVERサイエンス) 実は私は榎木さんが東大理学部の大学院生の(あるいは学生だった?)頃から存じ上げており、当時まだそれほど一般的でもなかったウェブを使って、アフリカツメガエルを使った発生学研究を発信し続けていたことを今でも鮮明に覚えています。 ウェブサイトの名前は「たまごの部屋」だったような気がしますが、調べてみると今でもここに保存されているようですね。業の「アフリカツメガエルを学ぼう!」以外にも、後輩達のために「大学・大学院入試情報」や、今でいうところのキャリアパスのひとつとして「国家1種公務員の生物受験情報」など、一貫してどうやって大学院を生き延び、その後につなげていくかということを、自分だけではなく仲間達と一緒に考えようとしていた印象が強い方でした。 そうした行動の底を流れていたのが単なる科学至上主義ではない「正義感」であるこ

    榎木英介著: 博士漂流時代 「余った博士」はどうなるか? | 5号館を出て
    scicom
    scicom 2010/11/26
    昨日から、この書評についていろいろ考えています…本書に希望を書いたつもりだったのに、鎮魂歌と言われてしまった理由を…RT @TopsyRT: 榎木英介著: 博士漂流時代 「余った博士」はどうなるか?
  • ブルーバックス「新しい高校生物の教科書」11刷り | 5号館を出て

    いまだに大学新入生で生物の基礎知識に不安のある学生には勧めているなのですが、ついに11刷りを重版することになりました。出版から4年半、いまだに読んでくれる方が増え続けていることには感激しております。ほんとうにありがとうございます。 新しい高校生物の教科書 (ブルーバックス) このを書いたきっかけは2006年問題と呼ばれる、学習指導要領の大幅な内容削減に対抗するために、一冊読むだけで「生物学の基礎」がきちんと学べる教科書が日人全員にとって必要だと思ったからです。考えてみれば、青くさい考えだと自分でも恥ずかしくなるのですが、いまだに売れ続けるロングセラーとなったことを考えると、基的にはやはり求められていたものだったのだという自信が持てます。 遺伝子組み換え作物というものをどのように考えたら良いのか、今年ノーベル賞を取った体外受精という技術に生物学的問題はないのか、法律が変わって臓器移植

    ブルーバックス「新しい高校生物の教科書」11刷り | 5号館を出て
    scicom
    scicom 2010/10/10
    おめでとうございます!RT @orcajump: 自分の編集した本の中で、もっとも多く重版かかった本です。 RT @5goukan: [exblog] ブルーバックス「新しい高校生物の教科書」11刷り
  • 学歴難民クライシス | 5号館を出て

    一昨日、歯医者に行った時に待合室にあるニューズウィークを見て、愕然としてしまいました。6月7日号(5月31日発売)の表紙に、小さな船の上で荒海にもまれる高学歴者たちの絵が描かれ、「学歴難民クライシス 就職できない一流大学卒が急増」と書いてあります。中には「世界にあふれる高学歴難民」というスペシャルレポートが載っています。 記事を読んでみると、京都大学の博士課程で動物生態学を研究した女性が、就職活動に失敗し社員7人のアパレル会社の事務員として働くようになったというエピソードから始まっています。モデルがいるのかもしれませんが、仮名の主が実在するのかどうかは不明です。 グラフによると、日の大学進学率は今アメリカと並んでいるのですが、イギリスや韓国はそれをはるかに上回る勢いで進学率が増加しており、大学卒業者の就職難は世界的な問題になっているようです。 それでも、まだ大学卒ならばそれなりに自分を知

    学歴難民クライシス | 5号館を出て
    scicom
    scicom 2010/01/28
    大学院重点化は若者の失業率を引き下げた、という話を聞いたことがあります。RT @fujisiro: 2006年の記事。『就職活動の逃げ道として進学を選ぶものも少なくない』で研究者になった人も多そう。教授が企業や社会のこと分か
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