トヨタ自動車がディーゼルエンジンの開発・生産強化を狙い、いすゞ自動車と合意した資本・業務提携には意表を突かれた。いすゞが提携を拡充する相手は、すでに国内バス事業を統合している日野自動車が本命と見ていたが、そうではなく日野の親会社のトヨタが速攻で縁結びしてしまった。環境対応技術と世界一へのトヨタの執念であり、業界再編の核となる「吸引力」が際立ってきた。 4月にいすゞが35年に及んだ米ゼネラル・モーターズ(GM)との資本提携を解消した際、本コラムで「離散したGMファミリー、別れは出会いの始まり」を書いた。いすゞの「出会い」の相手は、2002年当時に経営統合も視野に交渉を進めたこともある日野が「自然の流れ」と指摘したが、見事に外した。 2社との提携には「工数不足」を補う共通の狙い 昨年10月に資本提携した富士重工業に続き、GMとの資本関係を解消したいすゞもトヨタとの提携を選択した。トヨタからすれ