だろうなあ、と思った。昨年暮れ、ある新聞(経済系です)の社説を見たときの感想である。個人的にはもちろん分配率の引き上げは歓迎である(笑)。しかし、いくらわが国が社会主義的な体質であるとは言え、曲がりなりにも資本主義経済陣営に属し、かつG7の主要メンバーでもある。そういう国のマスコミなのだから、いくら消費増大のためとは言え、労働分配率の引き上げを唱えてしまうと、社会主義国家の機関紙みたくなってしまう。 人材も重要な資本なのは間違いない。しかし、人材にどれだけのコストをかけるべきかは個々の企業経営の判断に委ねるしかない。経営側に多くの問題があるのは確だ。年功序列の廃止・成果報酬の導入などは、本来は能力に見合った報酬を与え、組織を活性化させる狙いがあるが、実際には単なる人件費抑制の仕組みと化し、組織の沈滞を招いた例が多いだろう。 とは言うものの、社会的圧力によって労働分配率を引き上げさせ、それに