デリダの時間論と「痕跡」の概念 ○デリダ「声と現象」1967 「現前の形而上学」の批判。 パロールによるエクリチュールや痕跡の抑圧。 プリント「差延」参照 ○要点 過去は、かつての現在ではなく、未来はこれから現在であるようなものではないけっして現在ではなかったような過去、けっして現在であることがないような未来 このような過去や未来の「痕跡」が、現在という「点」をcontaminer していること。現在の純粋さを浸食する。 意識の自己現前が成立するためには、こうした過去や未来の「痕跡」が働いていなければならない。現在の自己同一性を、こうした痕跡が分割している。 けっして現在たりえない過去の痕跡、反復可能性。不在の現前(記号)。 ただしパロールそれ自体もエクリチュール的なものを含む(「私は死んでいる」) 発話者の死の可能性を越えて、反復可能であるのでなければ、イマココでの発話は現前しない。 ●