官僚制についての本格的な研究は、ドイツの社会学者、マックス・ヴェーバーに始まる。ヴェーバーは、近代社会における特徴的な合理的支配システムとしての近代官僚制に着目し、その特質を詳細に分析した。上に記した官僚制の基本的な特徴もヴェーバーの定義に基づいている。 近代官僚制は、前近代に見られる家父長制的な支配に基づく家産型官僚制[注 1] とは異なり、組織を構成する人間の関係は、制定された規則を順守する非人格的(非人間的ではない)な結びつきによって成り立っているとされる。つまり、血縁によるつながりや感情的な結びつきなどではなく、合理的な規則に基づいて体系的に配分された役割にしたがって人間の関係が形成されているということである。なお近代官僚制は、以下のような特質を備えていることがヴェーバーによって指摘されている。 権限の原則 階層の原則 専門性の原則 文書主義 ヴェーバーは、近代官僚制のもつ合理的機