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2019年3月6日のブックマーク (5件)

  • 彼は必ず満足しない - 傘をひらいて、空を

    たいていの人や状況に対して執着がきわめて少ないのが自分のいいところだと彼女は思っていた。仲良くなる相手はだからちょっとラッキィだねと、そう思っていた。適度に親しげに、感じよくふるまうことについて彼女には自信があったし、彼もそれを享受しているように思われた。 彼女はうるさいことを言わなかったし、先の話はすべて淡い願望あるいは彼女に対する無責任なサービスとしてとらえた。突然の来訪はなんでもない顔で受け入れるか、なんでもないことのように断るか、した。しばらく連絡が途絶えてもとくになにもせず、ふたたび連絡があると、当然のように返信を出した。彼ってちょっと変わった人なんだな、と彼女は思った。なんか急にいっぱい会いたがったり、いなくなったりするんだな。そう思った。 彼は彼女が彼のなにかを好きだと言うのが好きだった。そして好きなのはそれだけではないと言うのを待っていた。そのせりふを選ぶしかない場面に追い

    彼は必ず満足しない - 傘をひらいて、空を
    seenone
    seenone 2019/03/06
  • だいじょうぶオールド・ボーイ - 傘をひらいて、空を

    ごはん行きましょう。なるべく明るい声で私は言う。性根が陰なのを隠して明朗にふるまおうとするとばかっぽくなるなあと思う。職場での私は常時そんなふうだ。他人にはなるべく当たり障りのない印象を持ってもらいたいと思う。みんなそう考えてほがらかな顔をしてほがらかな声を出しているのだと思う。前向きなふるまいは他人に対するサービスだと思う。少なくとも四割くらいはおうちに帰ったら思う存分さみしいことや苦しいことを考えていると思う。 昼に誘った先輩もその四割に該当しそうな人格ではあるけれども、今はもっと露骨だった。職場にあって取り繕うことさえしない。ふだんはする。でもこの一ヶ月くらい、ぜんぜんしていない。あいまいな笑顔のようなものを浮かべてあまり人と目を合わせない。あいさつはしても、そのあとに二言三言雑談することがなくなった。パーティション越しに小さいため息が聞こえる。背がひどくなってなんだかちょっと

    だいじょうぶオールド・ボーイ - 傘をひらいて、空を
    seenone
    seenone 2019/03/06
  • 分散派の言い分 - 傘をひらいて、空を

    彼女には恋人がふたりいる。恋人がいない期間もある。恋人がひとりだけということはない。生物として活性化すると恋をするので一人では足りないのかな、と思って話を聞いていた。でもどうもそうではないようなのだった。彼女は恋をするとあわててもうひとり、好きになれそうな人を探すのである。 このたびはその「もう一人」が見つからないのだそうだ。恋人のふたりも見つからないなんて、わたし、もてなくなった、と彼女は言う。ほんとうにつらい、と言う。ひとりでもいいじゃんか、と私は言う。私は、恋は一対一でするべきだなんて、ぜんぜん思わないし、恋人を何人つくろうがその人たちの勝手だと思っているけれど、でも無理に見つけることもないとも思うよ、一人に集中するのもなかなか乙なものですよ、私たちは仕事も忙しいのだし、体力も衰えつつあるのだし、恋をいくぶんか減らしたってよろしゅうございましょう。 いやだ、と彼女は言う。忠誠を誓うの

    分散派の言い分 - 傘をひらいて、空を
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    seenone 2019/03/06
  • 「本から学ばない人」と「読書家」の致命的な差

    前回、「スマホを『1時間以上』見続ける人が陥る悪循環」で紹介したように、現代人の多くはネットやSNSを利用しすぎる傾向があります。自分なりにルールを定めて、ネットにのめり込む時間を減らした次はどうするか? 私は皆さんにを読むことをお薦めしたい。 「沈潜する」時間を持つ 旧制高校の学生が使った言葉で「沈潜(ちんせん)する」というものがありました。自己研鑽すること、自分を磨くことを「沈潜する」と表現したのです。とてもいい言葉だと思います。 忙しい毎日、膨大な情報洪水に流され浮遊するのではなく、「沈潜する」時間を持ちたい。を読んで著者と一対一で対話する。あるいは自分自身と対話する。作品の質に迫り、グッと自分の深い部分や心の奥底に沈んで潜っていく感覚です。そこにはネットでの画像や動画の派手さや、SNSで短い言葉が飛び交う喧噪はありません。 静かな無音の空間、ゆったりとした時間の中で他者と出会

    「本から学ばない人」と「読書家」の致命的な差
    seenone
    seenone 2019/03/06
  • 市川海老蔵 「今遊べばおもしろくなくなる」と“ストイック生活”、そのワケは?〈週刊朝日〉(AERA dot.) - Yahoo!ニュース

    来年5月に十三代目市川團十郎の襲名を控える市川海老蔵さん。結婚前は歌舞伎界きってのモテ男として、数々の浮名を流しましたが、現在はよきパパとして2児の子育てに奮闘中。「今遊べばおもしろくなくなる」と語る私生活に作家の林真理子さんが迫ります。 【写真】凛々しい海老蔵さんの横顔はこちら *  *  * 林:海老蔵さんのブログを見ると、いつもジムに行ってるか、お子さんたちのお世話をしてるか、劇場に行ってるかですけど、遊びに行ったり飲みに行ったりする時間はないんですか。 市川:今、一滴もお酒飲んでないです。元旦にお屠蘇(とそ)を飲んだだけ。去年も一滴も飲んでないです。 林:ほんとに? ちょっと寂しくないですか、それ。 市川:いや、それが酒ほど無駄なものはないという思考になってるんですよ。今はほぼストイックな生活をしてまして、今日も稽古があるので何もべてないですし、いつも仕事のことを考えています。た

    市川海老蔵 「今遊べばおもしろくなくなる」と“ストイック生活”、そのワケは?〈週刊朝日〉(AERA dot.) - Yahoo!ニュース
    seenone
    seenone 2019/03/06
    林真理子があえて薄っぺらいことを聞いていて笑える。。真面目に答える海老蔵が遊ばれてる感じ。さすがのおばさん。