7000万年以上前の北米には、ヒパクロサウルスという草食恐竜が生息していた。子どものヒパクロサウルス化石を調べた最新の研究で、分裂中の細胞や細胞核、染色体が発見され、DNAが保存されている可能性も出てきた。(ILLUSTRATION BY MICHAEL ROTHMAN) DNAは数十億年にわたり、生物の遺伝情報を伝える役割を果たしてきた。DNAには、いつどのようなタンパク質を合成するかという指示が含まれている。しかし、この情報はどれほど長く存在しうるのだろう? このほど、極めて保存状態の良い恐竜の化石から、細胞の輪郭と構造物が見つかったとする研究成果が発表された。この構造物は恐竜のDNAでできたものかもしれないという。 学術誌「National Science Review」に掲載されたこの挑発的な論文では、ハドロサウルス科に属する恐竜ヒパクロサウルス・ステビンゲリ(Hypacrosau