http://anond.hatelabo.jp/20160306105341 他人の意見で恐縮だが、専門家の言葉で、自分の見解にも近いので。 春日太一『なぜ時代劇は滅びるのか』(新潮新書) P166~『悪の不在』より抜粋 近年の時代劇の脚本は、説明が過剰だ。それによる問題は、観客を飽きさせることだけではない。 登場人物の内面を片っ端から丁寧に描こうとする悪平等に作り手たちが陥っているから説明過剰になるのだが、 その結果、時代劇から《悪》がいなくなってしまった。そして、ドラマの焦点が散漫になり、盛り上がりに欠けるラストを迎えることになる。 たとえば、リメイク版『十三人~』(2010年公開)の暴君は最後に、自分を凶行に走らせるに至った 自身の心情を延々と主人公に語って聞かせた。あるいは、同年公開の『座頭市THE LAST』では、 漁民たちを苦しめる凶悪なヤクザの元締め(仲代達矢)と座頭市(香