映画館には上映時間があり、小説には本の厚みがある。音楽には曲の長さがあるし、絵画はいくら大きくても一部屋に収まる。ビデオゲームを評する難しさは、取り扱う作品がどれだけの長さを持つのか、前もってわからないことにある。いつエンディングを迎えるのか、予想がつかないのだ。 もちろん評者は、すべてのイースターエッグを見つけるべきかもしれない。しかし、たとえば近年の「Grand Theft Auto」シリーズや、「Fallout」シリーズでそれをすべて自力で行うには、ほとんど非人間的なまでの努力が必要になる。そして、それが作品評価に大きく関わることは滅多にない。評者はどこかの時点で区切りをつけ、これ以上は語らないという境界を定めなくてはならない。ひるがえって言えば、過不足のない境界を見定めることが、ビデオゲームをレビューする腕の見せどころだ。 もちろんそれが作品の検討をおざなりにして良いという理由には