書店で、高橋源一郎先生の連載を読むため「群像」2月号を 買おうとして、手にとって、隣の「文學界」2月号を見たら、 表紙に「津村記久子」とあったので、「お!」と購入。 「うどん屋のジェンダー、またはコルネさん」というタイトルの、 読みきりの、6ページの短編でした。 タイトルどおりうどん屋の話で、ほんとに日常的な、 実際にどこにでもありそうな、小さな事件のことを 書いた作品なんだけど、すごくグサッとくるというか、 とても強いインパクトを食らいました、読んで。 昔、ジャパンで真心ブラザーズにインタビューした時に、 村上春樹がエッセイで書いている、 「小確幸」――「小さな、確実なる、幸せ」という造語が 好きだ、ということを、YO-KINGが言っていたのを覚えている。 この本で描かれているのは、その反対のもの。 いわば「小確不幸」。 小さな、確実なる、不幸。または絶望。あるいは断絶。 戦争がなくなら