【上海=加藤隆則】旧日本軍が多数の中国人を殺害した南京事件を描いた映画「南京!南京!」(陸川監督)が22日、中国で公開され、苦悩する日本人兵士を主役の一人に据えた初の試みが賛否の議論を呼んでいる。 中国紙によると初日半日で興行収入は900万元(約1億2600万円)。国内の戦争映画としては異例の反響だ。 抗日戦争を題材にした従来の中国映画は、旧日本軍の残虐さを強調することに主眼が置かれているが、同作品は暴行シーンに加え、終幕で中国人捕虜を逃がし、自殺する日本人兵士が描かれている。陸監督は中国紙に対し、「日本人も悪魔ではなく人。彼は戦争に対する我々人類の反省を代表している」と狙いを語った。 メディアやインターネットには「日本人を美化している」との反発が目立つが、「民族感情からだけでなく、広い視野に立って戦争を見ることができるようになった証し」(広東紙)などと肯定的に評価する声もある。上海市内の