(2009年4月21日付 英フィナンシャル・タイムズ紙) 長期安定成長が過去のものとなった英国。国が再び指導的地位を取り戻せるかどうかという苦悩が広がる中で、新年度予算案が22日発表される。 ほんの2年前、ロンドンは新しいタイプの経済のモデルのように見えた。 所得は高く、経済成長は力強く、労働党政権が経済政策の枠組みを改革してから10年の歳月を経て、「欧州の病人」という英国の過去の悪霊はすっかり姿を消した。銀行は急ピッチで事業を拡大し、雇用は過去最高水準に向けて成長していた。 「欧州の病人」が一転、経済成長のモデルに 人を夢中にさせるこの組み合わせは、フランス大統領に就く寸前のニコラ・サルコジ氏にも感銘を与えた。 2007年初頭にロンドンで選挙活動を行った際――ロンドンは世界で7番目にフランス国籍の人口が多い都市――、サルコジ氏は羨ましげに英国の成功について語り、英国のGDP(国