「さて、ラプラス(仮)さん」 「かっこかり、は余計だよー。あいてて」 「すみません。あと、手加減なしで【灰燼裂罪(エクスプロージョン)】をぶっぱなしたことも謝ります。ごめんなさい」 「ほんとうだ。街を焼くレベルの魔術を、まったく」 「まあ、私もあのあと、魔力切れでぶっ倒れたんでおあいこです。で、勝負は私の勝ちでいいんですよね」 「あぁ。魔女に二言はないよ」 ラプラスは大げさにため息をつく。 三百年の封印明けとはいえ不覚をとった。魔法は衰退し、魔導だか魔術だかという格落ちの技術ばかりが流行していると風の噂で聞いていたのだ。 それで、油断していた。 あの威力。 あの精度。 そして、……ヒトに向けて大型魔術を迷いなく行使する明らかなヤバさ。 まさか現代にここまでの使い手がいるとは。 荒野でひたすら大威力の上級魔法をぶっ放し続ける、などというとうてい正気の沙汰とは思えない行動も気に入った。 実際、