日銀総裁人事が大詰めだ。別表のような有力候補が浮上するが、気になるのは武藤敏郎大和総研理事長(69)や岩田一政日本経済研究センター理事長(66)ら財務省や日銀出身者が多くを占める点だ。15年ぶりの日銀総裁ポスト奪還を狙う財務省や、組織防衛を図る日銀の思惑も透けるが、識者が「アベノミクスは終わってしまう」と懸念する“危険な3候補”も存在する。安倍政権は罠にはまってしまうのか。 15日午後の東京市場に異変が起こった。急速に円高と株安が進んだのだ。きっかけはロイター通信が日銀総裁人事について「武藤氏が中心」と報じたことだった。 3月19日に白川方明総裁と2人の副総裁が退任するのを前に、政府は安倍晋三首相が訪米から帰国後の来週、正副総裁の後任人事案を野党に提示する。 観測報道も過熱気味だ。時事通信は19日、「武藤氏と経済企画庁(現内閣府)出身の岩田一政氏を軸に最終調整」と報じた。 読売新聞