2016年11月29日、チェ・スンシル事件をめぐって、朴槿恵(パク・クネ)大統領が3回目となる「国民談話」を発表。 「自らの進退は国会にゆだねる」とし、2019年2月の任期満了前での辞任の意向を示した。しかしこれは、「弾劾」という形をとりたくない大統領と、著しく支持が低下しているなかでの大統領選を避けるべく時間稼ぎをしたい与党の思惑が合致した苦肉の策のようだ。 実際に朴槿恵が何かしらかの形での大統領職から退くまでには、もう少し時間がかかる見込みだ。 さて、今回の騒動について、連載第1回、第2回に引き続き、解説していきたいと思う。 一連の騒動に火をつけたのは、朴槿恵大統領の「親友」とされている黒幕チェ・スンシルのタブレットPCの存在が2016年10月末に明らかになったことだった。内部には大統領の演説原稿をはじめとする国政にまつわる重要な文書が保存されており、チェが朴槿恵を裏で操る黒幕であるこ