私が高校生のときぐらいにできた施設だ。バブル末期のころ、官民一体の第三セクターによる運営でスタートした。当時は南陽にかぎらずこういう箱ものがボコボコできたのである。当初の入場料は映画一本観賞できるほどの値段。七つの温泉と大ホール、お土産コーナーやレストランもあるという……言ってしまえばスーパー銭湯のハシリみたいな施設だ。強気すぎる価格が災いしたのか、厳しい経営がずっと続きっぱなしで、最近になって行ったら入場料が300円にまで下がっていた。ぴかぴかだった施設も二十数年も経過し、ロッカーのドアが錆びついてなかなか開かなかったり、冬だと洗い場が寒かったりと、日本の不景気と衰退とともに歩んできた建物だ。 このハイジアパークであるが、やはり役人が関わっていたせいか、不思議な一角があった。「イザベラ・バード記念コーナー」である。明治初期に横浜から蝦夷まで旅した英国の著名な女性冒険家だ。南陽市を含む置賜