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美学に関するshesaid_shesaidのブックマーク (7)

  • 井奥陽子『近代美学入門』 - logical cypher scape2

    タイトル通り、近代の美学についての入門書なのだが、とても良いだった。 「芸術」「芸術家」「美」「崇高」「ピクチャレスク」という概念ごとに章立てした5章構成のとなっているが、これらの概念は全て近代に成立した概念である。 「崇高」と「ピクチャレスク」はあまり一般的には馴染みのない言葉だろうが、「芸術」「芸術家」「美」といった、現在の我々にとってはわりとあって当たり前の概念が、歴史的にはそれほど古くない概念であることを示している。 常識だと思っていることを相対化して捉え直すことを目指していて、おおよそどの章も、古代ではどうだったか、近代でどのように成立していったのか、そして、現代的な論点についてどのように考えられるか、という構成をしている。 なので、確かに「近代の美学」についてのではあるのだが、美学一般の入門書という位置づけで読んでしまってよいと思う。 新書レベルの読みやすさ・分かりやすさ

    井奥陽子『近代美学入門』 - logical cypher scape2
  • 読書メモ:『なぜ美を気にかけるのか :感性的生活からの哲学入門』&『近代美学入門』 - 道徳的動物日記

    なぜ美を気にかけるのか: 感性的生活からの哲学入門 作者:ドミニク・マカイヴァー・ロペス,ベンス・ナナイ,ニック・リグル 勁草書房 Amazon 『なぜ美を気にかけるのか』は美学の入門書でもあるが、そのなかでも「美的価値」や「美的感性」「美的生活」の問題を扱っており、「優れた芸術の定義とは何か」といったトピックではなくタイトル通り「なぜ美を気にかけるのか」という問題……なぜわたしたちは服や髪型のお洒落さ/ダサさや事の美味しさ/不味さを気にしたり、聴く音楽や視聴する動画について自分なりの選択を行おうとしたりしているか、といったトピックを扱っている。ここでいう「美」はかなり広い範囲の物事を指していること……「 "美"といえるのは素晴らしい芸術のみである」といったエリート主義を排して、どんな人でも日常的に様々なタイミングで様々な領域の「美」を気にかけている、というスタンスで各人が論じていること

    読書メモ:『なぜ美を気にかけるのか :感性的生活からの哲学入門』&『近代美学入門』 - 道徳的動物日記
  • 美的なものと芸術的なもの - obakeweb

    1 美学は芸術の哲学なのか? 2 芸術抜きの美学? 3 美学抜きの芸術? 4 ビアズリー、ディッキー、シブリー 5 美的なものと芸術的なもの、その後 参考文献 1 美学は芸術の哲学なのか? 博士論文(80,000 words)をあらかた仕上げて予備審査に出したので、ゴキゲンのブログ更新。 博論でも取り上げている話だが、私の専門である美学/芸術哲学への入門的な話題としてよさそうだったので、一部ネタを抜粋して再構成してみた。なにかというと、美学と芸術哲学の関係性についての話だ。*1 美学[aesthetics]は、なんの専門家でもない人にとっては「男の美学」「仕事の美学」とか言われるときの流儀やこだわりを指す日常語であり、もうちょっと詳しい人にとっては、芸術哲学[philosophy of art]の同義語だ。英語でも事情は同じらしく、aestheticsが専門だと言えば、artについてなんか

    美的なものと芸術的なもの - obakeweb
  • どの活動がなにゆえ「芸術」なのか? - obakeweb

    芸術哲学の(根幹とまでは言わずとも、)代表的なトピックのひとつは芸術の定義である。芸術とはなにか。どこのどれがなにゆえ芸術作品であり、その他のアイテムはなぜ芸術作品ではないのか。 分析美学における芸術の定義史は教科書[1][2]やStanford Encyclopedia of Philosophyのエントリーを読んでいただければ結構なので、ここでは新しめの話を紹介する。*1 芸術の定義とバックパス 芸術の定議論では、制度説や歴史説といったそれなりにもっともらしい立場が現れて以降、おおきなブレイクスルーはなかった。流れを変えたのはドミニク・ロペス[Dominic Lopes]である。2008年の、その名も「芸術の理論なんて誰もいらない」という論文で、ロペスは次のように提起する。 私たちが必要としているのは、芸術[art]の理論じゃなくて、諸芸術形式[the arts]の理論である。気になる

    どの活動がなにゆえ「芸術」なのか? - obakeweb
  • 美しいものは喜びに適合している?:美的価値についての適合態度分析 - obakeweb

    美的価値とはなんぞやをめぐる、最新の研究です。*1 「美しい」「崇高である」「パワフルである」といった美的価値については、しばしばそれによって引き起こされる反応の観点から説明されてきた。すなわち、美しかったり優美だったりして美的に良いものとは、私たちに特別な快楽やら満足やら喜びを与えるものにほかならない。ここでは、ある特別な情動的反応をもたらす能力の観点から、美的価値を持つことが分析されている。 いわゆる美的快楽主義はこの筆頭なわけだが、能力による価値の分析にはいろいろとしんどい点がある。とりわけ、どうやって価値の客観性を担保するのかが問題となる。ワーグナーの美しい楽曲は快楽を与えるとは言うが、クラシックに親しんでいない私にはあんなのちんぷんかんぷんなだけで、特別な快楽は感じられない。私だけでなく多くの人がそうなのだとしたら、なぜワーグナーの楽曲には美的価値があるなどと言えるのか。 快楽主

    美しいものは喜びに適合している?:美的価値についての適合態度分析 - obakeweb
  • 美学は何の役に立つのか?

    以下の原稿は、もともと2019年10月12-13日、東京の成城大学における第70回美学会全国大会のために用意した講演原稿ですが、台風19号のために中止となったため、2020年1月12日に同じく成城大学において発表させていただいたものです。その後、雑誌『美学』に掲載するという話もあったのですが、字数制限などがあり残念ながら実現しませんでした。美学会の将来ということを意識した内容なので、このまま一般の雑誌原稿としても発表しにくいため、ここで共有したいと考えました。 〈1〉「歴史の終焉」が意味するもの 2010年、中国の北京大学において、第18回国際美学会議が開催されました。その時の大会テーマは「美学の多様性(Diversities of Aesthetics)」というものでした。企画者のひとりであった佐々木健一氏はそこで「美学の哲学的役割(Philosophical Role of Aesth

  • 分析美学の教科書紹介 - 昆虫亀

    三日前の「分析美学を学べる大学2011年度」のなかで予告していた、分析美学の教科書の紹介です。 一応お伝えしておきますが、わたしはここに紹介するの記述すべてを読み込んだわけではないです。 (そんなに教科書ばっか読んどるわけにもいかんのです。わたくし、たんなる一研究者でして、教科書マニアじゃない。) なので、間違いもあるかもしれません。 そして、かなり主観も入ってます。 そこんとこよろしくお願いします。 イントロダクション じゃあ、まずは入門書から。 今から挙げていくいくつかのは、どれもたくさんの著者が集まって書いてる入門書です。 なので、各章の著者によって読みやすさや、難易度は変わります。 ※2012/01/14追記 日語の入門書についてはこちらのエントリを参照⇒★ 一番のおすすめはこれです。The Routledge Companion to Aesthetics (Routled

    分析美学の教科書紹介 - 昆虫亀
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