ふりかえりの本質 まずはじめに、ふりかえりの本質は「ある特定の時間・空間的範囲において発生した事象に対する評価」であるということから説明する。 時間的範囲は過去のある時点から現在までの範囲が典型的だが、場合によっては未来の時点も含む。いわゆる事前検死(プレモーテム)は未来の失敗を終点とするふりかえりである。また、空間的範囲はふりかえりの対象となる個人や集団が知覚可能な範囲だ。離れたチームや地球の裏側の事象まで対象にすることはない。 ふりかえりの対象は必ずしもふりかえりを行う当人とは限らない。他人の活動を外部からふりかえることもできる。 だが、ふりかえりという活動から評価とそれを行う評価者の存在は除外できない。 もっとも根本的な評価は事象の選別である。ふりかえりの中でどの事象を取り上げ、どの事象を取り上げないかという選別がすでに事象に対する評価である。 その上でさまざまな基準によって個々の事