KDDIは2009年6月15日,通信業界の競争政策について,記者向けの説明会を開催した。KDDIは,NTTグループの組織体制について見直しが予定されている2010年に向けて,現状の問題点を再提起し,議論を活性化させていきたい狙いだ。 KDDIが問題視しているのは,NTTグループの持ち株会社体制と,NTT東西地域会社に地域通信以外の事業編の進出を認める「活用業務」制度の二つ。 KDDIの古賀靖広・渉外・広報本部渉外部長(写真)は,これにより,1996年に当時の電気通信審議会が答申したNTTの再編成の主旨が無効化していると指摘する。「本来,NTTコミュニケーションズが他の事業者と競争する想定の事業領域に,NTT東西が電話時代の顧客基盤を背景に進出し,IPサービス時代でも独占体制を継続しようとしている」という。 古賀部長は,「固定通信においては様々なサービスでNTTグループのシェアが高まっている