タグ

ブックマーク / sivad.hatenablog.com (15)

  • もちおさんと集合知の奇妙な冒険 - 赤の女王とお茶を

    ブコメでも書いたんですが、「エリートが集まって円卓会議で世の中をよくする」、というビジョンはまあいっても古典的ですよね。 もちろん集まって議論するのはいいことだしどんどんやれと思いますが、もちおさんがそもそも打ち上げた「集合知」というのは全然そういうものじゃありません。 優秀な者が集まって世の中を導くという考え方は哲人政治あたりから旧ソ連の計画経済まで根強くありますが、「集合知」というのはその弱点をおぎない、かつ超えるところにこそ凄みがあるし、20世紀の最大の発明とも呼べるわけですよ。 エリート主義の問題点は、彼彼女らが何をやっているかということを考えれば分かりやすいです。 エリートは状況を抽象化、モデル化し、そのモデルに従うように人々を指導、誘導します。 もちろん、うまくいくケースもある。目的が単一かつ明確で、状況に多様性や多面性が少ない時にはこれが大きな威力を発揮するでしょう(エリート

    もちおさんと集合知の奇妙な冒険 - 赤の女王とお茶を
    shibusashi
    shibusashi 2009/06/07
    『もちおさんがもし本当にWeb2.0において集合知を実現させたいのであれば、これらの条件を整備する仕事をすべきでした。でも彼の発言を見るに、実際は集合知なんて嫌いなんでしょう』タイトルがいい感じ
  • 倫理の根拠とお水のセカイ(本編) - 赤の女王とお茶を

    こちらの編。 まだまとまりきっていない話ですし、分かりやすくかけるか怪しいところですが。 「水伝」など多くのニセ科学批判の文脈で基となる考え方の一つに、「科学は倫理を与えない」というものがあります。あるいは、「である」は「べき」を導かない。ヒュームの法則、または自然主義の誤謬、とも表現します。 科学はセカイが”How”「どのように」「ある」かを明らかにするものであって、どのようにある「べき」か、つまり倫理や規範を定めるものではない、ということです。もちろん、ゴーヤの佃煮を作るときは五倍酢をつかう「べき」だ、コーヒー豆は封を開けたら冷蔵庫にいれる「べき」ではない、というように、ある状態を達成するための手順について科学が「べき」を与えることはあります。 しかし、どう生きるか、のような根源的なレベルにおける、向かうべき「目的」を科学知識そのものが規定することはないよ、というのが科学的思考にお

    倫理の根拠とお水のセカイ(本編) - 赤の女王とお茶を
    shibusashi
    shibusashi 2008/11/18
    へーなるほどなー。根源的な倫理・規範の箇条書きとかどっかにないかな。
  • 上げ潮とかバラマキとかリフレとかについてざっくりまとめてみるメモ - 赤の女王とお茶を 2008-09-06

    まあ分からんなりに整理してみましょうか。政治の季節だしね。 あくまで素人談義ですので、専門家の皆さんフォローよろしくお願いします。 例えばこちらによると 経済政策において大きく4つの流派?があることになってるそうです。 1.財政再建派(増税派) 2.積極財政派(バラマキ派) 3.上げ潮派(構造改革派) 4.リフレ派(金融政策派) 1.財政再建派(増税派) ってのはまず最初に国の借金を返そうぜ派ってことで、となると増税しなきゃ始まらんよな、ということでしょうか。特に消費税を使うのが好きみたいですね。 確かに国の借金は膨大ですけど、こういうとこ http://mudainodqnment.blog35.fc2.com/blog-entry-515.html にあるように、日国の借金は日国民に対する借金なので、すぐに怖いお兄さんが取り立てにくるような状況とは違うようです。 将来的に減らしてい

    上げ潮とかバラマキとかリフレとかについてざっくりまとめてみるメモ - 赤の女王とお茶を 2008-09-06
    shibusashi
    shibusashi 2008/09/17
    勉強になるなぁ。このまま、議論が続いて欲しいね。
  • ドラッカーはネオリベでもサヨクでもないですよ - 赤の女王とお茶を

    ドラッカーをあまりにあがめ奉るのもどうかと思うのですが、私も一ファンとしてそれなりに読んできたし、いくつかのエントリで言及もしてますんで書いときます。 まず、私なりのドラッカー理解をまとめておきます。 ・ドラッカーのいうところの「経営=マネジメント」とは、人を手段ではなく目的と置いた上で、社会や組織をどう組み立て、動かしていくか、という方法論である。 ・また氏の言うところの「自らの責任」とは、日流の自己責任論ではなく、人を目的とした時に社会や組織の中で自分がどういう役割を担うべきか自ら任じて動くべし、ということであって、むしろ「自己使命論」というべきものである。氏自身も強みを活かして稼いでいた証券の仕事をやめ、自らの使命と信じる文筆業に身を投じた。 ・いわゆるネオリベやリバタリと異なる点は、社会や組織、共同体の機能を重視することにある。ドラッカーは人の幸福にはそれらが不可欠だと考える。従

    ドラッカーはネオリベでもサヨクでもないですよ - 赤の女王とお茶を
    shibusashi
    shibusashi 2008/08/22
    『知識があったからといって、それだけで大組織と対等になれるわけではありません。それらの知識によって横断的につながった共同体がバックにあるからこそ、テクノロジストは企業と対等になれるのです。』
  • 学問に潜む価値判断について - 赤の女王とお茶を

    疑似科学、批判、道徳。 や、 dojinさんへの応答 を読んで感じたんですが。 まず、 「科学は価値判断を含まない」 ということ、これは科学とは「地図」であるでも書いたように、基的には正しいと思います。科学は"How"を明らかにするけれど、"Why"には答えない、というのはつまり、道筋を明らかにはするけれど目的地を決めるわけではない、ということです。 生命や宇宙が「どのように」存在しているのか、存在してきたのかを探る方法ですが、「なぜ」そうでなくてはならないのか、という究極には答えない。 …とはいうものの、主観的な価値判断と科学・学問が無縁かといえばさにあらず。 専攻する分野によって、なんとなく価値観が似てくるというのは経験的にはよくあることですね。 それはやはり、科学といえども単なる分析方法だけではなく、一種の「世界観」、つまり価値判断を予め含んでいるからではないでしょうか。 それが「

    学問に潜む価値判断について - 赤の女王とお茶を
  • 日本をグーグル化する5つの方法 - 赤の女王とお茶を

    やたら流行りのようですが、究極の自己啓発といえばライフ八苦だけに「八正道」で決まりでしょう。 それはそうと、日屈指の知性が自分ハックばかり説いてるんじゃあつまらない。せっかくならジャパンハックくらいのことは言ってもらいたいもんです。 でまあ、件のはまだ読んでないのですが、思いつきで以下、「日グーグル化する5つの方法」。 1.科学的思考を身につけよう グーグルが博士号を重視するのは、「地頭」の良さのみならず博士号取得によって訓練された科学的思考や探求の方法に意味があるから。単に処理するだけではない、主体的で頑丈な思考。 科学的探求のプロセス自体を学ぶべく「科学教育」を推進しましょう。 2.ミッションを定めよう 「世界政府のやるべきこと」だとか「邪悪なことはしない」だとか。実際のところどこまで当かは知りませんが、少なくとも多様な知性をまとめるには大まかな「向かうべき方向」と、「向かっ

    日本をグーグル化する5つの方法 - 赤の女王とお茶を
  • 元祖ブロガーとしての”アラン” - 赤の女王とお茶を

    少し前に梅田さんが楽観主義かなにかの文脈でアランを持ち出していたように思います。 で、というわけじゃないんですが、今日うちの棚で何気にアラン定義集をとって眺めていると、編より巻末の解説がやたら面白かったのでご紹介します。 アラン定義集 (岩波文庫) 作者: 神谷幹夫出版社/メーカー: 岩波書店発売日: 2003/08/20メディア: 文庫購入: 2人 クリック: 33回この商品を含むブログ (26件) を見る 「アラン」というのはペンネームつまりidで、名はエミール・シャルティエ。アランというのはブルターニュ地方ではよくある名前だそうで、「純朴で気立てのいい田舎者で、ちょっと抜けてる」イメージがあるそうです。 彼はこのペンネームについてこのように語っています。 もしぼくがすぐに見破られるペンネームで、世論の前で書いたなら、ぼくはもはやいかなる自由も持たないだろう。*1 「アラン」が話

    元祖ブロガーとしての”アラン” - 赤の女王とお茶を
  • 労働で好きを実現しろオアダイ - 赤の女王とお茶を

    みたいになってません?なんとなく。 いろいろやるにせよ、何かを選択するにせよね。 好きがどうたらって話は昔いくつか書いたし、誰にいわれなくとも人は好きなことがしたいわけだ。誰がどう生きようと他人の人生は他人のものですしね。 ただ黄昏時とはいえ仮にも21世紀のトップクラスの先進国で、好きだの幸福だのが「労働」の文脈でしか語られないってのはどうなんでしょう。 個々人の生き方がどうこうよりも、私が気になるのはそこですね。 「労働」てのは基、世の中の需要に応えて対価を頂く作業で、まあそれを楽しむ術もいろいろあるとは思います。もし幸運にも「自分の好きなこと」「自分のできること」「世の中の求めること」が全て合致し続ければ一番よいのでしょうが、それでなければ不幸、好きなことができない、というのは人類が何千年も求めて作り上げてきた世の中なんですかね。 例えば労働でない「活動」というものもあります。 アイ

    労働で好きを実現しろオアダイ - 赤の女王とお茶を
    shibusashi
    shibusashi 2007/12/19
    あー、これはそのとおり。で、給料安くてもいいから残業しなくてもいいように、ワークシェアリング社会を・・・
  • 私達は一人一人「中国語の部屋」に生きている - 赤の女王とお茶を

    中国語の部屋」というのは哲学者ジョン・サールが提起した思考実験。「意識」を議論する時によく出てきます。 ごく簡単に説明すると、 ある箱に、中国語を全く知らない人が入っている。 外の(中国語を解する)誰かがその箱の中に中国語の会話や質問の書いたカードを差し入れる。 中の人はカードに書いていることは全く分からないが、箱の中には例えば 「$¢£%#」と書いてきたら「☆★○◇▼」と返せ のような「受け答えマニュアル」が用意されていて、何か分からないがとにかくその通りに書いて外に返す。 すると、中の人は意味も内容も全く理解していないに関わらず、外の人は「箱」と完全な対話をしていることになる。 またこの話は人工知能の文脈で語られることも多いようです。完璧なデータベースを備えた人工知能との「会話」は当の「会話」なのか?といった感じでしょうか。 では、私達人間はこの「箱」から当に解放されているのでし

    私達は一人一人「中国語の部屋」に生きている - 赤の女王とお茶を
    shibusashi
    shibusashi 2007/12/19
    『「感情を共有できる」という感覚は人に大きな影響を与えます。』『この「箱」を信じようと自ら決めること。』理詰めでいくと相手(箱)に裏切られる可能性はいくらでもある、だから『信じようと自ら決める』に共感。
  • 赤の女王とお茶を - 日本の理系が敗北するたった一つのシンプルな理由

    残業代を払えない経営者は無能である 有能な経営者を期待したら負けである なかなか面白くなってまいりました。 経営に関することは御大二人にお任せするとして、私はこれを一種の「理系哀歌」モノとして読みました。 ですが実は、日技術者や研究者の社会的立場がいつまでたっても弱く、「搾取」され続ける理由は明白なんです。 支持団体がないから これですよ。 もちろん瑣末な理由はいくらでも出して来れますが、社会的に観るならば間違いなくコレです。 例えば米国。 かの国には世界最大・最強の理系支持団体、 "AAAS (American Association for the Advancement of Science)" があります。 262の支部と1000万人の加入者を誇るこのNPOは世界最高峰の科学雑誌「Science」の発行元として有名ですが、ホームページを読めばその活動はまさに「アメリカ理系力」の

    赤の女王とお茶を - 日本の理系が敗北するたった一つのシンプルな理由
    shibusashi
    shibusashi 2007/11/23
    『ですが実は、日本の技術者や研究者の社会的立場がいつまでたっても弱く、「搾取」され続ける理由は明白なんです。「支持団体がないから」』
  • 科学・技術は日本の生命線…のはずだけど - 赤の女王とお茶を

    京大の山中伸弥教授かっこよす - おこじょの日記 いやぁ素晴らしい成果ですね。停滞気味の日生命科学に久しぶりの花火が上がった気分。 応用へのめどがついたという意味でも画期的ですが、幹細胞研究に胚を使わなくて済むということは特に欧米人にとっては大きな「倫理的枷」が外れたわけで、ここから実用に向けて真の研究的「仁義なき戦い」が始まると見ていいでしょう。 それから日の厚生省の気の変わりやすさ。長期研究を短い期間に押し込めたり、十分な資金を与えずに放置したり。問題は、事務官の長が3年ごとに変わることだ。新しい人が来るたびに、科学研究に足跡を残そうと新しい予算を立ち上げるが、科学的な根拠はなく思い付きだけで、すでにある研究プロジェクト(どんなに成功していても)から予算を奪ってしまう。基的に、3年でプロジェクトが完成できなければ、あきらめろということだ。 で、記事にあるような山中先生の嘆きも実に

    科学・技術は日本の生命線…のはずだけど - 赤の女王とお茶を
  • 赤の女王とお茶を - 「巨人の肩」はどこまでも

    一流の研究者とのお別れ 「もし私が他の人よりも遠くを見ているとしたら、それは巨人の肩の上に立っているからだ」 科学の先人達による膨大な蓄積と科学者の謙虚な姿勢を表現する有名なこの言葉。 Google scholarにも使われてますね。 これの出典としてはかのニュートンがよく知られています。皮肉屋のニュートンもたまにはいいこと言うんだなぁと感心してしまいそうですが、なかなかどうして、やっぱり一筋縄ではいかない男。 この言葉は論争相手のロバート・フックに対して書かれた手紙の中にあるらしいのですが、実はフックは子供の頃の病気が原因で非常に背が低かったとか。 ニュートンはきっちりそれを当てこすり、「巨人」の部分を特に強調していたそうです。 黒いなぁ。 ・・で、私もてっきりこの格言はニュートン由来かと思っていました。ところが一応Google先生に伺ってみたところ、どうもそれよりはるかに古〜い言葉だっ

    赤の女王とお茶を - 「巨人の肩」はどこまでも
  • 2007-07-28

    「入社時から給与に格差を」経団連会長、フォーラムで 御手洗冨士夫会長(キヤノン会長)は、学生を成績や論文で評価し、入社から給料に格差をつける仕組みの導入を提案した。 まあどういう評価基準を使うかは各自で考えればいいんじゃないでしょうか? キャノンさんがそうしたければ「自己責任で」そうすればよろしい。「みんな一緒に」導入する必要もない。 それはわりかしどうでもいいとして、こちらの見解はいただけない。 御手洗会長は、採用の改革について「平等に採用して会社では年功序列。競争の原理からほど遠く、イノベーション(革新)は生まれない。社会正義を平等から公平に変え、それに沿った学校教育、採用試験、給料体系にしないといけない」と呼びかけた。 単に競争すればイノベーションが生まれると思っているオジサンが多くて困りますね。ドラッカー、ちゃんと読んでる? そもそも、競争というのはなんらかのルールに従って勝敗を競

    2007-07-28
    shibusashi
    shibusashi 2007/07/29
    『「外部」を許さない競争、抜ければ即「死」を意味するようなバトルロワイヤルは過剰適応を量産し、多様性を摘み、イノベーションを殺します。』
  • 赤の女王とお茶を -何のために勉強するのか:解答編

    子供の「どうして勉強しなきゃいけないの?」→ 勉強することの具体的で直接的で切実なメリットを説明*1 どうして勉強しなきゃならないんだよ! ゆとり教育見直しに異論続出=「知識より人間力向上を」−与党 うーん。 「何のために勉強するのか」でこれほどケンケン、ガクガクしなくてはならないってのは正直、驚愕。 これじゃあ教育が迷走するのも仕方ないかもですね。 じゃあ答えです。 まず、この問いには二つの意味があることを認識してください。 1.なぜ、「勉強という行為」が必要なのか 2.なぜ、「現行のカリキュラム」を勉強せねばならないのか この二つをごっちゃにするから、わけが分からなくなる。まあ、そういうカオスを楽しむのも一興ではありますが。 1.に対する解答 「インプットして、アウトプットする」という行為それ自体の訓練だから。 インプットもアウトプットもなければ、残念ながら人は箱と変わりません。人間の

    赤の女王とお茶を -何のために勉強するのか:解答編
  • 赤の女王とお茶を - Youtubeで読むジャズ史「東京大学のアルバート・アイラー」(その1)

    菊池成孔師匠の例の読んでます。歴史編、通称「青」のほうですね。 東京大学のアルバート・アイラー―東大ジャズ講義録・歴史編 作者: 菊地成孔,大谷能生出版社/メーカー: メディア総合研究所発売日: 2005/05/01メディア: 単行購入: 5人 クリック: 74回この商品を含むブログ (185件) を見る流石に面白い。 人が言うように、かなり和声主義的な「バークリー史観」ですから異論は多いと思いますが*1、ジャズを手っ取り早く俯瞰するには最良の書ではないでしょうか。特に聴くだけでなく「やってみたい」人向きには随一だと思います。 しかしモノは音楽、ことにジャズ。やっぱり聴いて、見てナンボですよね。 ここは一つ、みんな大好きなYoutubeを使って(Web2.0!)菊池流ジャズ史を追ってみようではありませんか。 プレ・モダン・ジャズ 「モダン」成立以前のジャズです。ブルーズやゴスペル、

    赤の女王とお茶を - Youtubeで読むジャズ史「東京大学のアルバート・アイラー」(その1)
    shibusashi
    shibusashi 2007/02/11
    これはすばらしい。
  • 1