世界秩序が大きく変わろうとしている。アメリカが超大国でなくなり、中国・インドが台頭するなかで、日本の存在感は薄まりつつある。人気経済評論家の勝間和代が、世界金融危機を予言したことで改めて注目を浴びる知の巨人、ジャック・アタリと熱く語り合った。世界構造の変化が急加速するなかで、日本の進むべき道はどこにあるのか。キーワードはずばり「利他主義」と「人口政策」だ。(聞き手/『週刊ダイヤモンド』副編集長 藤井 一) 勝間 21世紀における世界構造の変化を読み解くに当たって、まずは世界金融危機の本質をどう理解するべきでしょうか。 アタリ アメリカ、ヨーロッパ、日本の疲弊が最も大きな問題であるということです。 経済成長のためには人口、貯蓄、技術革新、資源が必要です。この4つのリソースが西洋社会では賄えなくなってきて、移民に頼っている。アメリカ、ヨーロッパでも技術革新は進んでいますが、実際にそれを担ってい