読書は毒書だ。読前読後で変わらないなら、読む意味がない。ヒマつぶしなら、もっと有用なのがあるだろ? わざわざ時間とアタマ使うくらいだから、響いたり刺さったりしないと。 BRUTUS「危険な読書」の特集を読んだ。イイのを選んでいるライターさんもいるのだが、全体的にぬるい。というか甘い。わずかに夏目房之介・島田一志の対談と、町田康のインタビューが良い感じで、あとは表紙のいかがわしさに値しない狗肉が並んでいる。ファッション誌である所以、読書を「ファッション」として見なすビギナー向けなのかも。 もっと「読んだことを後悔するような劇薬小説」とか、「世界観を絨毯爆撃するようなマンガ」とか無いの? 一読したら、二度と立ち直れないような作品が欲しいのに。カフカは言った。どんな本でも、僕たちの内の凍った海を砕く斧でなければならないと。本当に「危険な読書」とは、脳天への一撃となる本なのだ。 ここでは、そんな「