文化庁は1月28日に「『神宿る島』宗像・沖ノ島と関連遺産群」(福岡)の来年の世界文化遺産登録へ向け、ユネスコへ推薦書を提出した。日本における世界遺産の島といえば、1993年に自然遺産登録された「屋久島」(鹿児島)が元祖だ。その屋久島で生息し、世界的にも銘木として定評のある「屋久杉」が、なくなってしまうかもしれない危機を迎えているというから一大事だ。 屋久杉は、屋久島に生える樹齢1000年以上の杉のことを指す。それ未満のものは「小杉」と呼ばれている。屋久島の強風、多雨、独特な地質などの自然環境に対応して、抗菌性を持つ樹脂を多量に分泌しているのが特徴だ。 1980年代に入って、屋久杉の伐採が禁止されたが、それ以前の伐採後に放置された切り株や幹などは土埋木(どまいぼく)といわれ、山中から運び出され、家具や工芸品の材料として使われてきた。2009年までは、トロッコに載せて運ばれていたが、その後、自