これまで読んだ最高の短編小説は何かと訊ねられたら、迷うことなくジーン・ウルフの「デス博士の島その他の物語」という短編を挙げる(国書刊行会より刊行の同題短編集に収録)。それはとある浜辺に住む少年の話である。母親に顧みられない少年はいつも一人で本を読んでいる。孤独な少年の友達はその本の登場人物だけなのだ。物語の終わり、少年は悪漢のデス博士に語りかける。「この本、もうあと読みたくないよ。博士はきっと最後に死んでしまうんだもん」 デス博士は答える。 「だけど、また本を最初から読みはじめれば、みんな帰ってくるんだよ」 この言葉ほど読書の喜びと哀しみを鮮やかに示したものはない。この小説は二人称で書かれている。タッキー少年はぼくである。ぼくはかつて孤独な少年だった。あのころ、ぼくの友達は本の中にいた。りゅうのボリスとネズミのリーピチープが遊び相手だった。図書館に通って借りてきた本に読みふけった。読
安田理央さんと柳下毅一郎さんという人間的にかなりアレな二人が、昼間から飲める店をハシゴしながら古本屋めぐりをするという駄目人間極まりない企みをしていて、おもしろそうだからおれも一枚噛ませろ〜、と後乗りで参加したつもりだったのだが、どうやら計画の発端は「つくたま古本ハンティング」だった模様。おれか! 本日のコースは、赤羽をスタート地点として川口、蕨を通って浦和がゴール。なぜこのコースかというと、ここいらは安田さんの地元で、飲み屋もそうだけどなんといっても古本屋に土地勘があるからだ。古本屋の位置はネットで調べるよりも地元の人に聞くのがいちばんだからね。 ともかく、平日の昼間、というか朝10時、赤羽の立ち飲み「喜多屋」に3人が集合。ここはハイボール180円、つまみも串焼きが1本110円〜という格安値段で、1000円も使えばべろべろに酔える、いわゆる「せんべろ」と呼ばれるアル中御用達の飲み屋なのだ
今発売中の漫画アクションに注目デス。 まず特筆すべきは、 表紙の女子のパイパイです! 鈴木先生もアソコを指差し、お怒りの様子… そんな「鈴木先生」が今回は巻頭カラーです。 相変わらず情報量多すぎて読みづれえっ! 鈴木先生のクラスは文化祭で演劇をやるのですが、なんとその演目が 「ひかりごけ」 !…難破船の船長が空腹のあまり船員の人肉食っちゃうあの「ひかりごけ」です。 ええ~…君たち中学生でしょ? 船長役は誰がやるんだ?映画版はたしか三國連太郎だったけど… マジでっ?! 蘇美ちゃんがんばれ!今後も「鈴木先生」からは目が離せません! …で、まあ、こっからが本題です。 347ページに注目! ヽ( ´¬`)ノ ワ~イ !! 書いてくれたのは柳下毅一郎さん。 柳下さんはブログで荒井晴彦の悪口書いて映画芸術にフルボッコにされた気骨のある映画評論家さんです。 柳下さん、
眠れずにTwitterなどをボーッと眺めていると突然起きた事態。おそらくほとんどの人が見逃しているし、録画もされてないと思うので、どんなことが起きたかを取り急ぎ記録します。 まず12月15日深夜1時52分ガース柳下(柳下毅一郎)がiPhoneを使ってUstream中継をこころみるとTwitterでつぶやく。 そこにウェイン町山(町山智浩)が登場し、電話するから柳下のiPhone番号教えろとつぶやくのが2時8分 Hey @kiichiro 柳下、i-phoneの番号、メールして。電話するから (garth live > http://ustre.am/5NJ) そして唐突なまでに新宿ゴールデン街の飲み屋にいる柳下さんとアメリカの町山さんとの会話の映像がストリーミング生中継ではじまるのだ。自分はiPhoneを持ってないのでわからないが、iPhone2つとUstream(http://www.u
監督:マキノ雅彦 出演:西田敏行、中村靖日 公式サイト 行動展示で有名な旭山動物園のPR映画だから、当然きゃわいい動物がわんさか出てくるんだろうな……と思って暗い気持ちで見に行ったが、マキノ雅彦(津川雅彦)のボケっぷりはそんな甘いレベルではなかった! これ、基本は園長・西田敏行とその周囲の飼育係の人間ドラマなんだが、そのメンバーが凄い。長門裕之、岸部一徳、塩見三省、六平直政、榎本明……ってここは動物園じゃなくて養老院じゃないか!?と思わせる大老人大会。 で、この面々がちっとも有能じゃなく、とりわけチンパンジーの飼育係長門裕之にいたっては、自分がチンパンジーの妊娠に成功したからって、ゴリラの飼育係岸部一徳を馬鹿にする始末。「(雌ゴリラの)マリはおまえのことを旦那だと思ってるからな!」からかわれた岸部一徳はすねてゴリラの檻に閉じこもる(子供か!)。しまいにゴリラの飼育係を降りてしまう。ふられて
以前より予告しておりました殺人ムックMurder Watcher第一号『明治・大正・昭和・平成 実録殺人事件がわかる本』がようやく完成。洋泉社より発売になります。 二大特集は平山夢明先生の書き下ろしエッセイもある「津山30人殺しの70年」と駕籠真太郎の書き下ろし漫画&本田透の長編評論という豪 華版でお送りする「ヴァージニア工科大学銃乱射事件」さらに菅賀江留郎(少年犯罪データベース)、高橋ユキ(霞っ子クラブ)、町山智浩、深町秋生、井 土紀州ら豪華メンバーが大集結。執筆者がみんな「銃があったらオレだってやってた……」って感想を洩らす人ばっかり! どうい う本だこれは! ちなみにぼくが書いたのは都井睦雄の墓参りレポートとシリーズ・殺人風土記の第一回「山陽~岡山・広島編」。今後、日本中をまわって過去の犯罪を発掘していくつもり。あなたの町にも行くかもしれませんよ! 世界の黒沢清も読んでいるMurde
本田透の『なぜケータイ小説は売れるのか』(ソフトバンク新書)読む。たいへんおもしろかった。この本の主張を一言でまとめてしまえば、ケータイ小説は現代の女子中・高生のあいだで民間説話のように消費されている、ということになるだろう。これはたいへん卓見で、とりわけ レイプや妊娠や不治の病といった不幸イベントを堪え忍んだ結果、「真実の愛」を見つければ全ての不幸なイベントがキャンセルされ、「幸福」になれるという信仰。それが、リアル系ケータイ小説を読む少女たちの心の中に存在する。だからこそ、「神様」とか「天使」とかいう宗教的概念が連発されるのだ。 という分析には蒙が啓かれた。本田透は「恋愛資本主義」の支配を訴えていたわけだが、どうとうそれは宗教にまでいたってしまったというわけだ。「自分探し」がひとつの宗教と化している……というと、なんだか香山リカみたいだな。 この恋愛信仰は、東京においては肥大化した資本
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