歴史資料を災害から守る意義を広めようと、群馬県内で活動する人たちがいる。2019年10月の台風19号を機に設立された「群馬歴史資料継承ネットワーク」(ぐんま史料ネット)だ。今夏に書籍を発行したほか、歴史への関心を持ってもらおうと、地域単位での歴史調査も行っている。 一昨年の台風19号は、県内でも死者4人、全半壊300棟超という大きな被害をもたらした。ぐんま史料ネットは、学術関係者らの有志が20年7月に設立。市町村の文化財の担当者ら120人が参加しており、現在は災害の発生時に備え、歴史資料の所在情報を把握・集約する活動が中心だ。 今年8月には、県内の自治体の文化財担当者に資料保全の取り組みを知ってもらい、その意義を伝えるために、書籍「群馬の歴史資料を未来へ」を発行。太田、藤岡の両市や嬬恋村での取り組みのほか、全国各地の史料ネットの活動事例が紹介されている。国の補助金で制作し、県内の自治体や博