イタリアを代表する哲学者で、小説「薔薇の名前」などの著者としても知られるウンベルト・エーコさんが19日、がんのために亡くなりました。84歳でした。 この作品は、キリスト教の論争なども絡めたミステリーで、哲学的な要素のある小説だとして高い評価を受け、日本を含む数十か国で翻訳されて100万冊以上を売り上げる世界的なベストセラーとなったほか、俳優のショーン・コネリーさんが主演して映画化もされました。 エーコさんは、このほか「フーコーの振り子」や「記号論」などの小説や哲学書を数多く出版し、ノーベル文学賞の候補者として名前が上がることがありました。 エーコさんはがんで闘病中でしたが19日夜、イタリア北部にある自宅で亡くなりました。エーコさんが死亡したことについて、イタリアのレンツィ首相は地元のメディアに、「彼は歴史を理解する力と未来を予見する力を併せ持った、ヨーロッパの知性を体現する特別な存在だった