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ブックマーク / www.msz.co.jp (10)

  • 傍観者からの手紙 | FROM LONDON 2003-2005 | みすず書房

    「他人の言葉に対する寛容は時に、自分が言葉に重きを置かない人の怠慢の証です。怒りを忘れない人は、言葉で戦っている人は、日に住むあなたの周りにいるでしょうか」 「ロンドンの事件の前後にも切れ目なく、イスラエルやイラクからは自爆テロや戦闘による死傷の報道が流れています。昨日もまた、イラクでタンクローリーを使った自爆テロが起き、70人以上が亡くなりました。9・11事件後、世界中を覆い始めた社会の砂漠化が、とうとうロンドンにまで来てしまった。残念ですが、それが実感です」 2003年3月、イラク戦争前夜。朝日新聞ヨーロッパ総局長としてロンドンにデスクを構えていた著者から、一通の手紙の形式で原稿が送られてきた。「この手紙が届くのは一カ月後です。瞬時に地球の裏側に電子メールが届くいま、なぜそんな悠長なことを、と思われるかもしれません。ただ私は、そんな時代にこそ一月遅れの手紙が新しい意味をもつような気が

    傍観者からの手紙 | FROM LONDON 2003-2005 | みすず書房
  • 失われたもの | みすず書房

    社会が変わってしまったと感じる人は多いのではないか。時代は新たな殖産興業・富国強兵、米国に寄り添う新しい大日帝国に向かっているように見える。 なぜ自分は危機的状況をうがつ仕事を続けてきたのだろう。経済ジャーナリストである著者は、自らの根っこを掘り下げる。 11年間シベリアに抑留された父と東京大空襲の被災者だった母、戦争をひきずる両親は東京・池袋で鉄屑屋を営み、必死に昭和を生き抜いた……。 失われたものは、誇りを持って生きていける自営業の暮らしと経済。自律した在り方を許容する社会。少年漫画の熱狂。「みんなが手と手を合わせれば」の歌。「ネーミング詐欺」ではない政治の言葉。 いわゆる戦後民主主義は共同幻想だったのかもしれない。現実には戦争も差別もあった。しかし体験に裏づけられた夢だった。当時と、平和と平等の理想さえ抱けない現在との差は、とてつもなく大きい。 「今、大きな渦があって、私たちはその

    失われたもの | みすず書房
    shigak19
    shigak19 2016/12/07
    池袋育ちだったんだ
  • 映画女優 若尾文子【新装版】 | みすず書房

    「若尾文子は日映画がもっとも頂点に到達したとき、そのまさに頂点に位置していた女優である。彼女は可憐な女学生を演じ、悪の化身として男たちを破滅させる魔性の女を演じ、そして激情に我を忘れる人を演じた。」(はじめに) 1950年代から60年代にかけて、日映画の最盛期に大映の看板女優としてスクリーンを駆けぬけた若尾文子。とくに増村保造監督とコンビを組んだ数々の名作で、みずからの欲望にどこまでも忠実に自己決定を貫くヒロインを演じ、高度成長期の新しい女性を強烈に印象づけた。近年、新たな世代にもブームが到来、『若尾文子映画祭 青春』など再上映であらためて脚光を浴びているこの神話的大女優を、二人の映画研究家が真っ向から論じる画期的な女優論である。 個人の原理である欲望と、共同体を支える民主主義が結合した希有な女優として若尾を位置づける四方田論文、男性の視点から撮られたヒロインが女性をも魅了する〈若尾

    映画女優 若尾文子【新装版】 | みすず書房
    shigak19
    shigak19 2016/09/10
    渋いなあ、みすずが出しているのも意外
  • チーズとうじ虫【新装版】 | 16世紀の一粉挽屋の世界像 | みすず書房

    1583年9月、イタリア東北部、当時はヴェネツィア共和国土属領のフリウリ地方において、ひとりの粉挽屋が教皇庁により告訴された。名をドメニコ・スカンデッラといい、人びとからはメノッキオと呼ばれていた。職業柄、白のチョッキ、白のマント、白麻の帽子をいつも身に着け、そして裁判の席にあらわれるのもこの白ずくめの服装だった。 「各人はその職業に従って働く。あるものは身体を動かし骨折って働き、あるものは馬鍬で耕す、そして私はといえば神を冒瀆するのが仕事だ」 「私が考え信じるところでは、すべてはカオスである、すなわち土、空気、水、火のすべてが渾然一体となったものである。この全体は次第に塊になっていった。ちょうど牛乳からチーズができるように。そしてチーズの塊からうじ虫が湧き出るように天使たちが出現したのだ」 かく語り、二度にわたる裁判を経て焚刑に処せられたメノッキオとは何者か。異端審問記録ほか埋もれた史

    チーズとうじ虫【新装版】 | 16世紀の一粉挽屋の世界像 | みすず書房
    shigak19
    shigak19 2016/04/24
    そういえばこれも異端審問記録からですか
  • 歴史を逆なでに読む | みすず書房

    「モンテーニュは古遺物研究を利用して早咲きの植民地主義批判を提出した。そして、ピカソは古典古代の形像を利用して、植民地主義がつくりだした諸条件のもとで、非ヨーロッパ地域の具象文明をわがものにしようとしたのである。二人とも、伝統を、それを生産した者の意図とそれをそれまで利用してきた者の意図に逆らって利用した。ある意味では、二人とも、伝統を逆なでに読んだのであった。」(「序言」より) 中世の異端裁判記録を丹念に読みこんでミクロストリアを実践し、歴史叙述の理論(メタヒストリー)においても論争をリードする、現代歴史学の泰斗ギンズブルグの、日語版独自編集による最新論集。歴史とフィクション、証拠、他者認識をめぐり、ベンヤミンの「歴史哲学テーゼ」に触発された「史料を逆なでに読む」方法によって、実証主義にも懐疑論にも与さない新たな歴史研究の可能性を指し示す。 歴史的な事象は、真実へともたらしうるか。歴史

    歴史を逆なでに読む | みすず書房
  • 歴史・レトリック・立証 | みすず書房

    「資料は実証主義者たちが信じているように開かれた窓でもなければ、懐疑論者たちが主張するように視界をさまたげる壁でもない。いってみれば、それらはゆがんだガラスにたとえることができるのだ。ひとつひとつの個別的な資料の個別的なゆがみを分析することは、すでにそれ自体構築的な要素を含んでいる。しかし、構築とはいってもそれは立証と両立不可能なわけではない。また、欲望の投射なしには研究はありえないが、それは現実原則が課す拒絶と両立不可能であるわけでもないのである。知識は(歴史的知識もまた)可能なのだ」 かつてロラン・バルトは、歴史記述をレトリックの一形態であるとして「歴史のディスクール」を唱えた。またヘイドン・ホワイトは歴史叙述をナラティヴ的・レトリック的次元に還元しようとした。だが、歴史においては、裁判官や刑事のように、証跡や目撃証言をつぶさに調べ上げて過去の出来事を復元することはできないのだろうか。

    歴史・レトリック・立証 | みすず書房
    shigak19
    shigak19 2016/04/24
    書物復権2016での復刊。
  • 拝啓 市長さま、こんな図書館をつくりましょう | みすず書房

    だけでなく映画音楽ゲームなど多彩な文化との出会いや交流をはぐくむ町の「文化的エンジン」。老若男女、見ず知らずの人が混ざり合い、ときに会話や議論の場が生まれるような「民主主義のゆりかご」。インターネットを無料で利用でき、生活に必要な情報や公共サービスが受けられる「地域のサービスセンター」。少子高齢化、失業、不登校など〈孤立〉が課題となる社会における「人の居場所」——公共図書館だからこそ担いうる社会的役割をいまこそ再発見し、市民活動の核になるような、私たちの時代の図書館をつくっていこう。 運営方法、企画、建物、内装etc. 世界のユニークな参考例を取り上げながら、これからの図書館に必要な発想を示していく。 多目的で開かれた「知の広場」としての図書館像を提案しつづけてきた著者による、新しい図書館論第2弾。 「私たちには今後ますます図書館が必要となるが、もちろんそれは新しいコンセプトの図書館

    拝啓 市長さま、こんな図書館をつくりましょう | みすず書房
    shigak19
    shigak19 2016/04/24
    目次観ると「明治大学図書館和泉図書館」「武雄市図書館」が
  • 知の広場:みすず書房

    自宅からインターネットで情報検索ができる時代に、そして市民の3人に1人が高齢者となる社会に向かって、町の図書館はどんな場所になれるのだろうか? 司書歴30余年、数々の図書館リノベーションにたずさわってきた著者が、来館者数を大きく伸ばしたイタリアの市立〈ペーザロ図書館〉、ロンドンの移民地区に新設され人気を集める市立図書館〈アイデア・ストア〉での経験を軸に、これからの図書館が考えなくてはならないこと、実行できることを具体的に指し示す。 「屋根のある広場」のような図書館には、自然と市民が集まってくる! 口絵(カラー4頁、モノクロ8頁)では、世界的に評判の高い公共図書館のインテリアを写真で紹介。 「知の広場」の著訳者: アントネッラ・アンニョリ Antonella Agnoli ボローニャ在住。1977年ヴェネツィアにスピネア図書館を開館させ、2000年まで館長を務める。2001年から2008年ま

  • 高校図書館 | 生徒がつくる、司書がはぐくむ | みすず書房

    学校図書館は、生徒が「評価」されない稀有な場所である。 大人一歩手前の高校生にとって、そんな場所に「対話」のできる司書がいることは決定的に重要だ——それぞれの事情に耳をかたむけ、個々の希望や関心と資料とを繋げる人。さらに教師たちと資料を繋ぐ人でもある。高校図書館の活性化は司書の対応にかかっている。 しかし現実には、埃をかぶったままの図書館や、司書が不在で閉まっているところもある。図書館予算も少ない。「学校司書」の法制化は、まだ途についたばかりだ。 司書として30年のキャリアをもつ著者が、生徒や教師たち、さらに地域の人たちの応援を得て、「もっと自由でもっと楽しい場所にしたい」と日々模索する現場からの報告。図書館報の作成や学校祭参加、学外活動まで、具体的な示唆に富み、問題点も浮き彫りになる。 高校図書館に特化したはじめてのであり、同時に、広く学校図書館のあり方について再考をうながすだろう。「

    高校図書館 | 生徒がつくる、司書がはぐくむ | みすず書房
  • マラッカ | みすず書房

    巻は、著者の長篇歴史ルポルタージュ三部作の記念すべき第一作『マラッカ物語』と、その関連論考・評伝を一挙に収録する。 「始まりは、10行にも満たない新聞記事である。そこから私は、マラッカ海峡の古代にまで遡る長途の旅に出ることになった」。このインドネシア領スマトラ島とタイ・マレーシア領マラヤ半島に挟まれた、狭く細い海峡は、東西交通の十字路であり、古くから多彩な交流の舞台であった。精力的な踏査と文献の博捜を通じ、鶴見良行は、緻密な筆致で、権力者たちと地域の人びとの終わりなき闘争=歴史をヴィヴィッドに描き出す。 姉妹編として書かれた連作評伝「アジア叛徒列伝」と関連エッセイ、そして作家池澤夏樹氏による透徹した理解に支えられた力作解説を併収する。 1926年、アメリカ合州国カリフォルニア州ロスアンゼルス生まれ。外交官の父の仕事にともない、少年時代、ワシントン、ポートランド、ハルピンなどで在外生活経験

    マラッカ | みすず書房
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