【北京=比嘉清太】中国共産党機関紙・人民日報は3日、中国公安省が、女性や児童の誘拐事件を3月から12月に集中的に摘発する方針を決めたと伝えた。住民に情報提供を呼びかけるなどして被害者の把握に乗り出す。 江蘇省徐州市豊県で最近、鎖につながれた女性の動画が拡散したことで人身売買事件が発覚し、社会に衝撃を与えたことを踏まえた措置だ。習近平(シージンピン)国家主席が自らの続投をにらむ今年後半の共産党大会を控え、世論の沈静化を図る狙いもある。 中国では1980~90年代に誘拐事件が多発したとされる。背景には農村では女性より男性が多い「男性余り」のため、男性の結婚が難しくなったという事情があった。現在も依然として人身売買が行われていると指摘される。