児童相談所が把握した心理的、身体的な虐待のうち、性的虐待が判明した事例について、厚生労働省が初の実態調査に乗り出した。 家庭内の性的虐待は特に潜在化しやすいとされる。被害の早期把握や実効性のある対策につなげてほしい。 全国の児相が受けた児童虐待に関する通告・相談は増加し続けている。2018年度の受理件数は約16万件にも上る。ただ、性的虐待に該当したのは1・1%にとどまる。 背景には、被害を受けた児童が加害者である親から口止めされたり、家庭を壊してはいけないとの思いから申告を撤回したりする状況があるとされる。 きょうだいや母親の交際相手からの加害は保護者の育児放棄(ネグレクト)とされ、性的虐待には分類されない。このため、統計上の数字は「氷山の一角」との指摘もある。 調査では、全国の児相に対して、身体的虐待などで関わり、その後の面談などを経て性的虐待を把握した事例や対応について報告を求めるとい