[2010年07月01日(木)] 日本代表、南アフリカでの収穫と置き去りにされた問題 杉山茂樹●文 text by Sugiyama Shigeki ハーフタイムにトイレで一緒になった知り合いのドイツ人ジャーナリストは、僕を発見するなり、堰を切ったように怒りをぶちまけた。 「この試合は最悪。退屈きわまりない。日本は何やってるんだ。なぜもっと攻めないんだ」 少なくとも前半、試合が面白くなかった理由の大半は、日本側に原因があった。パラグアイのボール支配率が61%だったのに対し、日本は39%。繋ぐサッカーを信条とするはずの日本が、ボール支配率で相手に大きく劣るということは、日本らしいサッカーができていなかったなによりの証拠になる。 守備的サッカーを強いられていたことにもなる。ピッチには結果的に、カメルーン戦の後半、オランダ戦の前半と同様の絵が描かれていた。 岡田監督が守備的に戦えと指示した