蝉の声が次第に小さくなって来た今日この頃、今度は花から花へとさかんに飛び回る蝶の姿が目につく。 しかし、蝶と言えば何となく春の風物詩のような気がする。現に俳句の季語は間違いなく春である。唯、一年を通じてその姿を見られることから、それぞれ「夏の蝶」「秋の蝶」等とする事で、春以外の季語としても使用出来るという。 ならば何故、春の印象が強いのか。私は童謡の「蝶々」の歌詞がその一因ではないかと睨んでいる。曰く 蝶々 蝶々 菜の葉にとまれ 菜の葉が飽いたら 桜にとまれ 桜の花の 花から花へ とまれよ遊べ 遊べよとまれ ご覧の通り「菜の葉」(花ではなく葉の方)と「桜」は春を代表する草木であり、このような歌を幼い頃から意味も解らず歌わされたら、否が応でも蝶=春と洗脳されるのではないだろうか。 だが実際のところ桜にとまっているのは蜂や虻、または野鳥のメジロやヒヨドリであり、決して蝶ではない。尤もこのように
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