ブックマーク / saebou.hatenablog.com (4)

  • 「運命の男」とハードボイルドヒロインの誕生~『ストーリー・オブ・マイライフ/わたしの若草物語』(ネタバレあり) - Commentarius Saevus

    『ストーリー・オブ・マイライフ/わたしの若草物語』を見た。言わずと知れたルイーザ・メイ・オルコットの有名作の映画化なのだが、まあセンスのない日語タイトルがついている。グレタ・ガーウィグ監督作である。 www.youtube.com お話は『若草物語』に忠実でありつつ、かなり変えている…というか、みんなが疑問に思いがちなジョー(サーシャ・ローナン)の結婚について、メタフィクション的なものすごくひねったオープンなエンディングを用意している。さらに時系列を乱した編集になっており、最初はなんか「え、もうローリーふられた後なの!?」みたいなところから始まってちょっと面らったのだが、だんだん少女時代と現在の似たような体験が併置され、それがジョーの頭の中で物語になっていくプロセスを示すためにこういう構造になっていることがわかってくる。これは脚色としては大変凝ったうまいやり方で、古典の再構成としてはお

    「運命の男」とハードボイルドヒロインの誕生~『ストーリー・オブ・マイライフ/わたしの若草物語』(ネタバレあり) - Commentarius Saevus
    shikahan
    shikahan 2020/07/06
    ハードボイルド映画でよくある、美女を袖にする孤独感、無頼感ゆえの自立感、充足感みたいなやつか。
  • 「絆」ってこれだよね~『パラサイト 半地下の家族』(ネタバレあり) - Commentarius Saevus

    ポン・ジュノ監督『パラサイト 半地下の家族』を見てきた。 www.youtube.com 公開中なのであまりネタバレしないように設定だけ書くと、狭くてボロい半地下のアパートに住んでいる全員失業中の4人家族キム一家が、長男のギウ(チェ・ウシク)が高台のおしゃれな家に住むパク一家のもとで家庭教師を始めたのをきっかけに、パク家に全員が就職できないか画策し始めるという作品である。階級問題が主題のスリラーで、まあ一言で言うとリアル版『ハイ・ライズ』みたいな話である。 人物や展開はわりとデフォルメが激しく、とくに金持ちのパク一家は記号みたいに描かれている。家庭教師としてやってきたギウに恋をするパク家の娘のダヘ(チョン・ジソ)とかのヨンギョ(チョ・ヨジョン)は相当にステレオタイプな描き方になっている。一方、半地下のアパートと金持ちの家の対比などはものすごくしっかり細部まで丁寧に描かれており、このせいで

    「絆」ってこれだよね~『パラサイト 半地下の家族』(ネタバレあり) - Commentarius Saevus
    shikahan
    shikahan 2020/01/26
  • 受動的な創られたヴィラン~『ジョーカー』(ネタバレあり) - Commentarius Saevus

    『ジョーカー』を見てきた。『バットマン』の悪役であるジョーカーがどうやってジョーカーになったのかを描いた作品…というのは建前で、ほとんど別の映画である。 wwws.warnerbros.co.jp ゴッサムシティに住むアーサー(ホアキン・フェニックス)はピエロの仕事をしながら母ペニー(フランセス・コンロイ)の介護をしている。アーサーは突然笑い出してしまうという症状を抱え、精神的にも不安定でカウンセリングと投薬を受けているが、それでも憧れの仕事であるスタンダップコメディアンを目指して頑張っていた。しかしながらゴッサムシティが荒廃するとともにアーサーの人生はどんどん下り坂になる。ピエロの仕事の最中に悪ガキどもに襲われ、仕事はクビになるし、市当局が福祉を打ち切ったせいでカウンセリングも投薬も受けられなくなる。度重なる不幸のため限界になったアーサーをどんどん狂気が蝕んでいく。 あらすじだけ書くと顕

    受動的な創られたヴィラン~『ジョーカー』(ネタバレあり) - Commentarius Saevus
    shikahan
    shikahan 2019/10/10
  • 周りの人が役名を叫んでくれるので、すぐキャラの名前が覚えられる~『映画刀剣乱舞』応援上映(ネタバレあり) - Commentarius Saevus

    映画刀剣乱舞』の応援上映に行ってきた。ゲームどころか舞台すら一度も行ったことがなかったので、設定などを一切理解せずに行ったのだが、とくに予備知識がないと無理というようなところはなく、けっこう面白かった。 touken-movie2019.jp 歴史を改変しようとする「歴史修正主義者」(とんでもないネーミングだ)と戦うべく、刀の付喪神である男性たちが「さにわ」(審神者)の指示によってタイムトラベルをして戦うという話なのだが、さにわはまあなんかチャーリーズ・エンジェルのチャーリーみたいなもの、刀剣男子はエンジェルだと思えばいいと思う。ちなみに、この映画では最後にチャーリー…じゃなかった代替わりしたさにわの顔出しサービスまである。この映画では能寺の変で織田信長を生かしておくべく活動する歴史修正主義者と刀剣男子たちが戦うという内容になっている。 設定は奇抜なようだが、映画じたいは驚くほどちゃん

    周りの人が役名を叫んでくれるので、すぐキャラの名前が覚えられる~『映画刀剣乱舞』応援上映(ネタバレあり) - Commentarius Saevus
    shikahan
    shikahan 2019/03/13
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