黒田日銀は緒戦で華々しい勝利を収めた。その衝撃は債券市場が混乱するほどだった。勝負を恐れない自信あふれる元大蔵官僚の面目躍如たるものがある。しかし、まだ、「真珠湾攻撃」に成功しただけだ。脱デフレという戦略目標を達成できるかどうかは、これからである。米雇用統計の増加数10万人割れが撃ち漏らした「空母」とならねば良いが。 雇用統計の発表を受け、NYダウは下げた。週明けにダウと連関性が高い日経平均は下げるおそれがある。日本が金融緩和をしても、米国の景気が減速すれば、金利先安感から円高株安に振れやすくなる。金融緩和は相対的なものである。また、円安を保っても、米国消費が鈍って自動車が売れなることだってある。 そのあたり、日経を見ると、備えはしているようだ。「今週から新手法、残存5年超を1.2兆円」とあり、さっそくニュースを届けている。金曜に乱高下した長期金利を押さえ込もうとする意思が伝わってくる。日