<英海軍の最新鋭空母がインド太平洋へ。「米中対立」から「中国vs自由世界」という反中連合にシフトしつつある> イングランドの軍港ポーツマス。過去800年余り、英海軍の艦船はこの港から世界の海を目指してきた。去る5月1日、この港から最新鋭の空母クイーン・エリザベスが打撃群の他の艦船を率いて出航した。新しい時代の幕開けを告げる船出だ。 7カ月をかけてインド太平洋地域を回る航海で、英海軍は航行の自由と開かれた海を守るため寄港先の国々の海軍と合同演習を行う。 その目的は?「われわれは中国を競争相手であり、対抗すべき存在とみている」。英海軍のトニー・ラダキン第1海軍卿はマイク・ギルデー米海軍作戦部長との米英海軍トップ会談で空母派遣の理由をそう語った。 それにしてもなぜ、はるか遠いアジアの係争水域に出向くのか。英政府はなぜここにきてアメリカのトランプ前政権が掲げ、バイデン政権が受け継いだスローガンに賛