僕の舌には、嘔吐の味のようなものがあった。暑くて、あらゆるものがじっとりと汗をかいていた。自分でも覚えているが、僕は学生ノートを一ページ破り、その真ん中に書いた。 蟻どもにおける ある破局の調書 (ル・クレジオ 著、豊崎光一 訳『調書』(新潮社、1966年)、199-200頁より引用) 今回の更新は、ル・クレジオ『調書』について。この変な小説について。 私が今回手に取ったのは1966年に出たもので、現在一般に入手できるものとは装幀がちょっと違う(引用箇所の頁番号などが現在入手できるものと異なっているかもしれない)。図書館カウンターで受け取った時には少しどぎまぎしてしまった。 調書 作者: J.M.G.ル・クレジオ,J.M.G. Le Cl´ezio,豊崎光一 出版社/メーカー: 新潮社 発売日: 2008/11 メディア: 単行本 購入: 1人 クリック: 16回 この商品を含むブログ (