2021年3月22日のブックマーク (3件)

  • 浅野紀予「意識が探る環境 ― ひとは情報とどのように出会うのか」 | ÉKRITS / エクリ

    [図1] 情報探索の理解のレイヤー ベイツはこの図で、それぞれの学問領域から得られる知見を統合すれば、もっとも深い理解が得られることを訴えました。レイヤーの間に優劣はなく、どれも等しく重要であるとみなすのです。また、一般的に人類学は社会科学に分類されることが多いのですが、この論文でベイツは、人類学を自然科学に属するものとして議論を進めていきます。人間も自然の一部であると考えれば、それを研究対象とする人類学を自然科学とみなすのも、間違いではないはずです。ともかくここで重要なのは、情報探索という行動の重層性を示し、それを知ることで理解を深めようという目標が掲げられたことでした。 ただしベイツは、実際の人間の性質や行動が必ずしも明確に切り分けられるわけではなく、隣りのレイヤーに浸透したり、さらに離れたレイヤーに達することもあることを説明しました。たとえば、心理言語学の通説では、人間には先天的な言

    浅野紀予「意識が探る環境 ― ひとは情報とどのように出会うのか」 | ÉKRITS / エクリ
  • 自由意志と人生の意味――ホンデリック、ペレブーム、フィッシャーそして古田徹也|山口尚

    来たる3月26日に「第3回非難の哲学・倫理学研究会」があり、そこで発表することになった。この会は自由意志にかんする事柄を論じる集まりでもあるので今回は〈自由意志と人生の意味〉を主題とすることにした。以下、発表原稿をあげておきたい。題名は「自由意志と人生の意味――ホンデリック、ペレブーム、フィッシャーそして古田徹也」である。 >>>>> 1. はじめに 人生の意味をめぐる問題と自由意志にかんするそれがどのような次元で交錯するかと言えば、それはひとつに「自己イメージ」の領域であろう。例えば――後で繰り返し強調するようにこれは個人のコントロールを超えた偶々の心理的条件のもとで生じることだが――《自分は自由意志をもたず、たんなる物質の戯れによって人生行路は決められる》という自己イメージは或るひとに実存的苦痛をもたらす。たしかにいま挙げた自己イメージについて何とも思わないひともいるが、そこは争点に属

    自由意志と人生の意味――ホンデリック、ペレブーム、フィッシャーそして古田徹也|山口尚
  • 歌壇と数字とジェンダー――または、「ニューウェーブには女性歌人はいない」のか? - 睦月の記録

    記事は「短歌往来」二〇一八年十二月号に発表した評論です。発表時に傍点(﹅)をふっていた箇所については、アンダーラインで表現しています。 * 二〇一八年六月二日、名古屋・栄ビルにて『現代短歌シンポジウム ニューウェーブ30年「ニューウェーブは、何を企てたか」』が開催された。現在に至るまで強烈な影響を与えながらも、実態の漠然とした〝ニューウェーブ〟という現象について、荻原裕幸、加藤治郎、西田政史、穂村弘という、当時その中心にいた四者による証言で、ブラックボックスとなっていたその発生の起源を明らかにした。 全体には実りが多く、興味深い会であったが、新たな課題も提出されたと言えるだろう。特に議論が紛糾したのは、「ニューウェーブに女性歌人はいない」とする、西田を除く三者の歴史観である。 荻原 次の質問にいきますね。「ニューウェーブの女性歌人は」って、すごい質問だな。千葉聡さんの質問ですが、「ニュ

    歌壇と数字とジェンダー――または、「ニューウェーブには女性歌人はいない」のか? - 睦月の記録