竹原市議会の議場に立つ稲田雅士議長。かつて30だった定数が14まで減り、名札が取り外された机が目立つ=広島県竹原市町村の議員数と報酬の推移市区・町村議選の無投票選挙 【富田祥広】近年は選挙のたびに議員が大きく入れ替わる国会とは対照的に、市町村議会は「なり手不足」が深刻だ。住民に最も身近な議会で、何が起きているのか。 ■人口減り高齢化 定数削っても少ない新顔 広島県竹原市。江戸時代の白壁の屋敷跡が続く「町並み保存地区」を訪ねると、数組の観光客が記念撮影を楽しんでいた。 「歴史や文化が息づく市の良さをもっとアピールしたい。でも、それだけでは住民は増えんじゃろ」。市議会の稲田雅士議長(66)は表情を曇らせる。 市制55年。職を求める若年層の流出や少子化などで、約4万だった人口は3万を切り、高齢化率は3割を超す。中心部の商店街はシャッターを閉じた店も目立つ。「若い人に名乗りを上げてほしいが