ブックマーク / d.hatena.ne.jp/FUKAMACHI (8)

  • インターネットという主人公「ソーシャル・ネットワーク」 - 深町秋生の序二段日記

    マークも犠牲者なんだ。これはすべて、根的にインターネットの性質や、インターネットが我々の人間としてのあり方をどう変えたかということにも関わってくる。人々を惹きつけたインターネットは、我々が闇にまぎれて、無礼で、意地悪で、人種差別的で、怒りにまかせた愚かでむごい態度をとることも許している。ニューヨーク・ジャイアンツの試合の観客席で、酔っ払いが選手に向かってすごく無礼な野次を飛ばすのと一緒だよ。1時間後に駐車場でその選手に出くわしたら、そんなことは絶対に言わないだろう。でも群集の中にいるとそれが言えてしまうんだ。インターネットは、巨大な匿名の群集だと思う。 アーロン・ソーキン フィンチャーの大型新作「ソーシャル・ネットワーク」を見た。おもしろかったねえ。 しかし「どこがおもしろかったの?」と問われれば明確に答えられない。むしろ「つまんなかった」という人も確実に出るだろうと思った。爆破や暴力も

    インターネットという主人公「ソーシャル・ネットワーク」 - 深町秋生の序二段日記
  • 2010年12月01日のツイート - 深町秋生の序二段日記

  • 平松伸二のぶっキレ悪党造形。新連載「ザ・松田」 - 深町秋生の序二段日記

    先日、ワッシュ君(id:washburn1975)と会ったら、開口一番に「別冊漫画ゴラク読みましたか!?」と問いかけられた。 「平松伸二の新連載、すごいやばいですよ!」とうれしそうに告げてきたのだった。彼は自分のブログでこのように書いている。 http://d.hatena.ne.jp/washburn1975/20100926(いんだよ細けえことは! - 男の魂に火をつけろ!) そんなわけで死んだはずの人気キャラ松田さん(ブラックエンジェルズ)を無理やり蘇らせての新連載だが、なるほど、近年の平松コミックのなかでは、もっともぎょっとする快作に仕上がっていた。何度も腹を抱えてしまったというか。 まだ1話だけだから、けっきょくのところどうなるかはわからないが、このテンションで話を持続できたら、すさまじいものになるだろうと思う。とりあえずこの1話だけでも見ておいたほうがいい。 大ゴマで松田さんの

  • 韓国社会の愛と恨「息もできない」 - 深町秋生の序二段日記

    山形でようやく評判の韓国映画「息もできない」を見た。今年3位内に入れたい(1位は「第9地区」とほぼ決定している)壮絶な映画だった。 東京で公開されてだいぶ時間が経つので、もうすぐDVDにもなるんだろうが、ぜひレンタルするなりして見てほしい作品。エンドロール中はボロボロ泣けて顔があげられなくなったほどだ。三十をすぎてから、涙で銭の花を咲かせる徳光アナ並みに涙腺が緩くなったのだけれど、不覚にも男泣きしてしまった。 低予算であり、スケールの大きな物語でもないが、監督&主演&製作&脚のヤン・イクチュンや多部未華子似の女子高生役のキム・コッピの気迫に満ちた演技、荒っぽい暴力が巻き起こす異様な緊張感、韓国社会の暗い歪みを激しく告発しつつ、根底にはナイーブな愛があふれていた。 高利貸しの取立て屋として荒んだ生活を送るサンフンは、ある日、女子高生のヨニと出会い、口げんかをきっかけに友情を育む。サンフンは

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  • 古澤健の全身映画。快作「making of LOVE」 - 深町秋生の序二段日記

    古澤健監督の新作「making of LOVE」を一足早く見た。 今週末からポレポレ東中野にて上映されるが、作は古澤監督の新たな代表作になるであろうおそるべき作品だった。滑稽さや童貞臭さを漂わせつつ、狂おしいほどの愛や純情を描き切り、恥も外聞もうっちゃるような捨て身の一撃を観客にらわせていた。その手法は、古泉智浩や初期のいましろたかしのマンガを想わせる。もうホントに捨て身なものだから爆笑の連続だった。 映画監督のふるさわ(人出演)と、フリーターの俳優の翔太(男前)は、路上で撮影中に美女のゆかりと出会う。ふるさわは「あの娘をテーマに映画を撮ろう! 愛をテーマに!」とゆかりに声をかけて映画撮影に引っ張り込む。ゆかりは自分のセックスをビデオで撮ってるような、どうやら相当好きものの女。次々にちがう男とホテルに入るところが目撃されている。ふるさわは「愛の映画を撮りたい!」と高尚そうな理屈をこね

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  • アナーキーな自警団「サマーウォーズ」 - 深町秋生の序二段日記

    日テレで話題のアニメ『サマーウォーズ』を見た。 かなりネットで大評判になった作品であって、いまさらなにを言っても周回遅れ感がつきまとうだろうが、感想を書いておく。テレビ版はかなりカットした部分も多いらしく、とんちんかんな指摘になるかもしれないが。 演出や派手なCGには目を見張ったが、シナリオに欠陥があるのか、思想が受け入れがたいからか、この世界にうまく入り込めなかった。 数学オタクの高校生、小磯健二は数学オリンピック日本代表の座をあと一歩で逃し、しょっぱい夏休みをすごしていたが、マドンナの夏希先輩からバイトを持ちかけられ、一緒に彼女の故郷である長野まで旅行する。なんと婚約者のフリをしてくれとの驚きの依頼で、彼女の実家に行ってみると、そこには何世帯もの大家族が待っているのだった。90歳にもなる夏希の曾祖母で陣内家の当主に挨拶をするが、おりしも仮想空間“OZ”のパスワードを解いてしまったことか

    アナーキーな自警団「サマーウォーズ」 - 深町秋生の序二段日記
  • 野心あふれる綱渡り大作「インセプション」 - 深町秋生の序二段日記

    さて話題の大作「インセプション」を見た。今日は映画感想。 で、ふと思い出したのはセルジオ・レオーネ監督の「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・アメリカ」(84年公開)だった。禁酒法時代に生きたNYギャングたちの長い人生を描いたもので、少年期と青年期、ギャングから足を洗った老年期の3つの時代が入り組んだ映画である。 タランティーノ作品のおかげもあって、最近は時制がシャッフルされる映画もめずらしくはないが、当時は「過去と現実がごちゃまぜでよくわからん!」という結論に達したらしく、アメリカではこの「ワンス……」、少年期→青年期→老年期と、わざわざ時間通りにきっちり構成を直して上映したのだという。 重い過去を引きずる老年期と、イケイケだったまぶしい青少年ギャング期とが、複雑に交錯するからこそおもしろいのであって、時制をきっちり一方通行にしてしまったら、おもしろくもなんともない。「そうしないとアメリカ

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  • 狂気の男、とみさわ昭仁「人喰い映画祭」 - 深町秋生の序二段日記

    どんなジャンルであれ、収集家というものに憧れる。ひきつけられる。 私には収集癖がなく、ゲーム映画ソフトにしろ、パンの白いところだけをつまんでべるようなライト感覚がある。フィギュアやおもちゃも持っていない。音楽ソフトは大量に買ってはいるけれど、引っ越しのたびに捨てるなり、売り払うなりしてしまうし、そもそも部屋のスペースにはいつだって限界がある。 集めて保存していてもなんの得があるのか、というつまらないドライさがある。やCDとなればひょっとして何年かに一度、資料としてひっぱり出すこともあるかもしれない。しかし何年かに一度のためなら、もう捨ててしまって、必要なときに改めて買いなおしたほうがコスト的には正しいのではないか。プレミアがつくならともかく……。 という凡庸な考えが根づいてしまったため、「集める」「取っておく」という行為ができない。できないからこそコレクターを一目置かずにはい

    狂気の男、とみさわ昭仁「人喰い映画祭」 - 深町秋生の序二段日記
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