伊勢町ハイツの3畳ほどの部屋で職員(手前)と話し込む入所者(左奥)=川崎市川崎区 住居がない人などに一時的な滞在場所を提供する「無料低額宿泊所」に、介護が必要な高齢者が長期間入所する例が目立ってきた。満足な介護サービスを受けられない人も少なくない。制度の目的外の利用形態となっている施設に、行き場のない高齢者が身を寄せている。 東京・山谷の「山友荘」には、高齢者から「病院から退院を迫られたが、行くところがない。泊めてほしい」という依頼が相次いでいる。 戦後まもなくできた日雇い労働者向け簡易宿泊所。かつては「ドヤ」と呼ばれていた。NPO法人「山友会」が借り上げて改装し、昨年4月から無料低額宿泊所となった。食堂や手すりのついた風呂も備える。 本来は、自立できる生活保護者らに一時的に住まいを提供し、生活再建を支援する施設だ。今は20部屋余りに高齢者20人が介護を受けながら暮らす。利用料は生