東浩紀「ポストモダンの二重構造」 「大きな内部(帝国)」の秩序維持としての権力は「規律訓練型」から「生権力型」へとむかう。「規律権力型」は内部の人々を教育し、内部秩序のための正しい人とする。しかし「生権力」は人々にどこで作動しているかわからない。それは「透きとおった権力」である。そして人々を「内部」の者としてでなく、あたかも「動物」のように、「外部」として扱う。 それは必ずしも悪いことではない。多くの面で、人々はそのように扱われることを望んでいる。そしてそのような「大きな内部」に溶け込むのである。 これは、東浩紀が示した「ポストモダンの二重構造」に近いかも知れない。*1 情報社会の二層構造(「ポストモダンの二層構造」) 東浩紀のised@glocomでの中心的なコンセプト。価値中立的なインフラ/アーキテクチャ(市場)の層と、価値志向的なコミュニティ(共同体)の層に大きく分けられることを示す