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ブックマーク / blog.tatsuru.com (79)

  • 維新と加速主義 - 内田樹の研究室

    ある講演会で大阪の維新政治15年の総括を求められた。行政、医療、教育、どれをとっても大阪市府の現状は高い評点を得られるものではない。だが大阪での維新の人気は圧倒的である。なぜ政策が成功していない政党を有権者は支持し続けるのか。 維新政治に批判的な人たちは有権者が維新政治の実態を知らないからだという解釈を採っている。大阪のメディアが維新の広報機関と化しているので、有権者は維新政治が成功していると信じ込んでいる。だから、真実を知らしめれば、評価は一変するはずだと言うのである。そうだろうか。私は違うような気がする。 大阪の有権者は大阪で何が起きているかちゃんと知っているのだ。それは日の未来を先取りしているということである。大阪は実は「トップランナー」なのである。 公務員は減らせるだけ減らす。行政コストは削るだけ削る。社会福祉制度のフリーライダーは一掃する。学校教育では上位者の命令に従うイエスマ

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    shiraber 2023/04/16
  • 安倍元首相銃撃の報に接して - 内田樹の研究室

    信濃毎日に寄稿したもののロングヴァージョン。 この信濃毎日の「今日の視点」の私の連載分は金曜日の正午が締め切りなので、参院選の結果がわからない段階だったけれども、「参院選の歴史的意味」というタイトルですこし長めのタイムスパンの中でこの選挙の歴史的意味について思うところを書いた。 原稿を書き上げた直後に「安倍元首相が銃撃されて心肺停止」というニュースが飛び込んで来た。少し締め切りを遅らせてもらって、とりあえずニュース第一報が入った時点でのこの事件についての私のコメントを記しておくことにした。さいわい、新聞社は締め切りを遅らせてもいいと言ってくれた。雅量を多としたい。 安倍氏の容態についても、犯人が何者でいかなる動機に基づくテロであるのかも、決定的な情報がない段階で書いているので、この原稿が紙面に出る頃には、私の書いていることが事実誤認であったり、無意味なものになっている可能性は残るが、それで

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    shiraber 2022/07/09
  • そんなことを訊かれても - 内田樹の研究室

    仕事始めに取材がふたつ。 太田出版の『atプラス』という雑誌と、『週刊プレイボーイ』。 媒体は違うが、たぶんどちらも対象としている読者の世代は同じくらい。 20代後半から30代、いわゆる「ロスジェネ」世代とそれよりちょと下のみなさんである。 生きる方向が見えないで困惑している若い諸君に指南力のあるメッセージを、というご依頼である。 『atプラス』の方はかなり学術的な媒体なので、「交換経済から贈与経済へ」という大ネタでお話しをする。 「クレヴァーな交換者から、ファンタスティックな贈与者へ」という自己形成モデルのおおきなシフトが始まっているという大嘘をつく。 もちろん、そのようなシフトは局所的には始まっている。 けれども、まだまだ顕微鏡的レベルの現象である。 それを「趨勢」たらしめるためには、「これがトレンディでっせ」という予言的な法螺を吹かねばならぬのである。 めんどうだが、そういう仕事を電

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    shiraber 2022/02/13
  • 光嶋裕介君の建築について - 内田樹の研究室

    光嶋裕介君の新著『ぼくらの家。』(世界文化社)の即売会と短いトークセッションが凱風館で昨夜、寺子屋ゼミのあとに行われた。ミシマ社も出店して、ゼミ生を中心に20人近くの聴衆が集まってくれた。 光嶋君が著作の意図を説明してくれた後に、僕が短いコメントをした。 その時に、以前、山浩二画伯から展覧会用の解説を頼まれたことがあったので、その話をした。 僕は美術については門外漢だから、山君の画業について専門的な見地から批評をすることはできない。彼の美術史的な系譜も知らないし、同時代の画家たちの中のどこに位置して、美術批評家たちからどういう評価を受けているかも何も知らなかった。僕にできるのは、山君の絵を何点か所有していて、その絵を壁にかけて暮らしている僕にとって、山君の絵が具体的にどういうふうに身体的な影響をもたらすものであるかを報告することだけだった。それについて書いた。少し長いけれど、再録し

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    shiraber 2018/11/01
  • ある編集者への手紙 - 内田樹の研究室

    はじめまして、内田樹です。 メールありがとうございます。 新潮社の友人たちからいろいろと内情は伺っております。 「新潮45」にも三重さんが編集長をしているころは何度か寄稿させて頂きましたので、愛着のある雑誌です。休刊ということになったのは僕も残念です。 このような事態に立ち至った責任はもちろん編集者にあります。 このような局面で、ほんらいならば公的なかたちで、その執筆意図について説明責任を果たし、批判に対して反論するなり、あるいは事実誤認について謝罪するなりして、「新潮45」とともに批判の前面に立つべきときにそれを怠って雲隠れするような人物に寄稿を依頼し、あまつさえ擁護の論陣を張ったという編集者の判断の致命的なミスの「つけ」を新潮社が払ったということだと思います。 出版の社会的使命は何か、それぞれの媒体はどのようなメッセージを、どのような文体において発信すべきか、その企図をどのような人物に

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    shiraber 2018/09/28
  • 人口減社会に向けて - 内田樹の研究室

    農業新聞の「論点」というコラムに定期的に寄稿している。2月は「人口減社会」について書いた。あまり普通の人の読まない媒体なので、ブログに再録。 「人口減社会」についての論集の編者を依頼された。21世紀末の人口は中位推計で6000万人を切る。今から80年間で日の人口がおよそ半減するのである。それがどのような社会的変動をもたらすのか予測することは難しい。いくつかの産業分野が消滅すること、いくつかの地域が無住の地になることくらいしかわからない。起こり得る事態について想像力を発揮して、それぞれについて対策を立てることは政府の大切な仕事だと私は思うが、驚くべきことに人口減についてどう対処すべきかについての議論はまだほとんど始まっていない。だからこそ、私のような素人が人口減社会の未来予測についての論集の編者に指名されるというような不思議なことが起きるのである。 先日毎日新聞が専門家に人口減について

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    shiraber 2018/03/22
    最近の日本社会、日本組織論は一段とウチワの安心社会問題ばかり
  • 平成が終わる(2) - 内田樹の研究室

    昨年末に平成の30年を総括して欲しいという原稿を頼まれたが、私が書いたのは「これから後『無慈悲で不人情な社会』が行政主導・メディア主導で創り出されてゆくだろう」ということだけだった。新年早々に気な話を読ませてしまって、読者の皆さんには申し訳なく思う。でも、ほんとうにそう思っているのだから仕方がない。 過去の総括を求められたのに、これから日を待ち受けるディストピア的未来について書いたのは、「これまでの30年を総括するためには、これからの30年を予測して、前後60年のスパンでおおまかな趨勢を見る必要がある」と考えたからである。今回はそれを踏まえて、過去30年間の総括をしてみたいと思う。 率直に言えば、1989年からの30年間は日にとって「落ち目」の日々だった。そして、この長期低落傾向はこれから先もう止まることがないと私は思っている。「落ち目」とは具体的にはどういうことなのか、そして、なぜ

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    shiraber 2018/03/07
  • 平成が終わる(1) - 内田樹の研究室

    サンデー毎日に「平成の30年間を振り返る」というお題での寄稿を求められた。4600字というたっぷりと紙数を頂いたので、書きたいことを書いた。 それでも書ききれなくて、二回にわたってしまった。まとめて掲載。 平成という時代が2019年4月で終わることが決まった。 元号が変わることについてある媒体から「元号はこれからも必要なんでしょうか?」と訊かれた。元号を廃して、西暦に統一すればいいと主張している人がいることは私も知っている。でも、それはいささか短見ではないかと思う。別に日の固有の伝統を守れとか、そういう肩肘張った話ではなく、時間を時々区切ってみせることは、私たちが思っている以上に大切なことのように思えるからである。 私の父は明治45年1月の生まれだった。明治は7月末日に終わるので、父は半年だけの明治人であった。けれども、「自分は明治の男だ」というアイデンティティーはずいぶん強いものだった

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    shiraber 2018/03/07
  • 「ローカリズム宣言」まえがき - 内田樹の研究室

    みなさん、こんにちは。内田樹です。 今回は「ローカリズム宣言」というタイトルで、地方移住、定常経済などにかかわる文章をまとめてを一つ作りました。の素材になったのは、このの出版社が出している『TURNS』という雑誌で二年ほどにわたって連載したインタビュー記事です。 『TURNS』というのはUターン(生まれ故郷へ帰還する)、Jターン(生まれ故郷とちょっと違う土地に住み着く)、Iターン(都会に住んでいる人がぜんぜん縁のない土地へ移住する)という三種類の「ターン」のことです。この雑誌はそういうふうに「ターン」して、地方移住をめざす人たちのための情報誌です。 最初に『TURNS』から取材のオッファーがあったときには、この世にそんな特殊な読者を対象にした特殊な雑誌があるなんて知りませんでした。どこにも広告も出していない、名前も知らなかった雑誌にそれなりのニーズがあるということにまず驚きました。実

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    shiraber 2017/12/10
  • 日本。長髪とフォークの思想 - 内田樹の研究室

    11月22日付けのLibération に日の70年代ポップスについてのOlivier Lammという署名入りの長文の記事が掲載された。 はっぴいえんどの四人の写真が掲げられた記事を見てびっくりした。なんで「リベラシオン」にはっぴいえんどが出るんだと思って記事を読んだら、まことに興味深い内容だった。 You Tube のせいで今は世界中のあらゆる時代の楽曲を好きなだけ聴けるようになったわけだけれど、その過程でヨーロッパのユーチューバーたちは偶然日の60~90年代のポップスを「発見」したのである。そして、そのクオリティの高さにびっくりした。 「日ポップス、すげえ」と思ったプロデューサーが日ポップスの網羅的なコンピレーションアルバムを作成する企画を出し、それが実現したという話である。 その経緯を知ったオリヴィエ・ラムさんという日ポップス大好きなフランス人が「日のポップスは1970年

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    shiraber 2017/11/24
  • 『変調「日本の古典」講義』まえがき - 内田樹の研究室

    はじめに みなさん、こんにちは。内田樹です。今回は安田登さんとの『論語』と能楽をめぐる対談です。 安田さんとお話するのは、僕にとって最大の楽しみの一つです。とにかく安田さんも僕も「変な話」が大好きなので、どんなトピックでおしゃべりしていても、「話がきちんとした合理的な結論に到達しそうな道」と「話頭は転々奇を究めて、何が何だかわからない話になってしまいそうな道」があると、必ず後の方を選んでしまいます。結論とか教訓とか一般性とか、そんなことははっきり言ってどうでもいいんです。それより、安田さんからこれまで一度も聞いたことのない話を聞きたい、自分もこれまで誰にも言ったことのない話(これまで一度も僕の脳裏に浮かんだことのない話)をしたい。そういう対話相手って、なかなかいません。 もちろん、「変な話」をする人は世の中にたくさんいます。でも、そういう人たちはしばしば自分の話に夢中になると、こちらの話

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    shiraber 2017/11/22
  • 英語の未来 - 内田樹の研究室

    このところTwitter中心の発信で、ブログにまとまったことを書くということをしていなかった。締め切りに追われて、それどころじゃなかったのだけれど、やはりブログの更新が滞ると寂しいので、今日からまた再開することにした。 以前は毎日のようにブログにエッセイを書いていた。 前にも書いたけれど、これはバーナード・ショーに学んだ。 ショーは毎日『タイムズ』の読者からのお便りコーナーに投稿することを日課としていた。『タイムズ』は毎日バーナード・ショーから無料エッセイが届くのだからありがたい限りであるけれど、それでも毎日「読者のお便り」コーナーに掲載するわけにはゆかない。ときどき掲載して、残りは没にしていた。 でも、ショーは原稿をタイピングするときにコピーを取っておいて、投稿したものが何年分かたまったところで、それを出版社に持ち込んでにした。 「なんと無駄のない人生であろう」とぱしんと膝を打ち、それ

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    shiraber 2017/08/29
  • 村上春樹の系譜と構造 (内田樹の研究室)

    最初にお断りしておきますけれど、僕は村上春樹の研究者ではありません。批評家でもない。一読者です。僕の関心事はもっぱら「村上春樹の作品からいかに多くの快楽を引き出すか」にあります。ですから、僕が村上春樹の作品を解釈し、あれこれと仮説を立てるのは、そうした方が読んでいてより愉しいからです。どういうふうに解釈すると「もっと愉しくなるか」を基準に僕の仮説は立てられています。ですから、そこに学術的厳密性のようなものをあまり期待されても困ります。とはいえ、学術的厳密性がまったくない「でたらめ」ですと、それはそれで解釈のもたらす愉悦は減じる。このあたりのさじ加減が難しいです。どの程度の厳密性が読解のもたらす愉悦を最大化するか。ふつうの研究者はそんなことに頭を使いませんけれど、僕の場合は、そこが力の入れどころです。 いずれにせよ、僕が仮説を提示するのは、みなさんからの「真偽」や「正否」の判断を求めてではあ

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    shiraber 2017/05/16
  • 内田樹の研究室: うなぎくん、小説を救う

    2024 1月 - janvier 2月 - février 3月 - mars 2023 1月 - janvier 2月 - février 3月 - mars 4月 - avril 5月 - mai 6月 - juin 7月 - juillet 8月 - août 9月 - septembre 10月 - octobre 11月 - novembre 12月 - décembre 2022 1月 - janvier 2月 - février 3月 - mars 4月 - avril 5月 - mai 6月 - juin 7月 - juillet 8月 - août 9月 - septembre 10月 - octobre 11月 - novembre 12月 - décembre 2021 1月 - janvier 2月 - février 3月 - mars 4月 - avril 5

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    shiraber 2017/05/14
  • 役に立つ学問 - 内田樹の研究室

    『大学出版』という媒体の「役に立つ学問?」という特集に寄稿した。わりと特殊なメディアなので、ブログでも紹介しておく。 役に立つ学問とは何か。 「役に立つ学問」とは何のことなのだろう。 そもそも学問は役に立つとか立たないとかいう言葉づかいで語れるものなのか。 正直に申し上げて、私はこういう問いにまともに取り合う気になれない。というのは、こういう設問形式で問う人は、一般解を求めているようなふりをしているけれど、実際には「その学問は私の自己利益の増大に役に立つのか?」を問うているからである。 だから、にべもない答えを許してもらえるなら、私の答えは「そんなの知るかよ」である。何を学ぶかは自分で判断して、判断の正否についての全責任は自分で取るしかない。「役に立つ」ということには原理的に一般性がないからである。 すべての学問やテクノロジーの有用性は地域限定的・期間限定的である。ある空間的閉域を離れれば

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    shiraber 2017/03/31
  • 能楽と武道 - 内田樹の研究室

    鎌田東二先生の肝いりで上智大学で行われた国際シンポジウム「世阿弥とスタニスラフスキー」で、「世阿弥の心身変容技法と武道のかかわりについて」という演題での発表を求められた。 そのときのテープ起こしが届いたので、若干加筆して採録しておく。「いつもの話」なので新味はないけれど、「こういう話」をする人が私の他にいないので、しつこく語るのである。 アカデミックな発表が続きましたけれども、僕の発表は全然アカデミックなものではありません。自分自身の経験に基づいて、中世日人の身体観とコスモロジーに関してお話をしたいと思います。 私は合気道という武道を今年で41年続けております。大学を退職した後、神戸に1階が道場、2階が自宅という凱風館という建物をつくりまして、そこで自分も稽古し、門人にも教授もしています。能楽は今から20年前に稽古を始めました。なぜ能楽の稽古を始めたのかというところからお話ししたいと思い

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    shiraber 2017/01/12
  • 『赤旗』インタビューロングヴァージョン - 内田樹の研究室

    『赤旗』の12月4日号にインタビューが載った。 記事には書き切れなかったこともあったので、以下にロング・ヴァージョンを掲げておく。 ―トランプが勝つと予想していましたか。 まさか。けっこういいところまでゆくだろうと思っていましたけれど、僅差でヒラリーが勝つと思っていました。実際、200万もヒラリーの得票の方が多かったわけですから「アメリカ人はヒラリーを選ぶ」という予測は間違ってはいなかったわけです。選挙制度のせいで、得票数の少ない方が大統領になってしまった。僕はヒラリーが別に好きじゃないけど、トランプは何をしでかすかわからないから怖いです。現段階ではアメリカの国際的な威信が地に落ちるだろうということしかわからない。 ―トランプ勝利の背景に何があったのか。日共産党は、第回大会決議案で、アメリカ社会はグローバル資主義のもとで格差と貧困が広がり、深刻な行き詰まりと矛盾に直面しており、トラン

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    shiraber 2016/12/08
  • 司馬遼太郎への手紙 - 内田樹の研究室

    産経新聞に「司馬遼太郎」についてのエッセイを季刊ペースで寄稿している。 今回が3回目。「司馬さんへの手紙」というタイトルが指示されたので、そういうつもりで書いた。 司馬遼太郎さま はじめまして、内田樹です。ご著書はずいぶんたくさん拝読しましたが、ご生前には拝顔するご縁に恵まれませんでした。でも、こうして泉下の司馬さんあてに手紙を書く機会が与えられましたので、お会いする機会があったら申し上げたかったことをここに書いてみようと思います。 ご自身としてはあるいは不意かも知れませんが、「司馬史観」という言葉があります。明治維新から日露戦争までの40年、敗戦までの40年、戦後の40年を三つに分割して、第二期、昭和一桁から敗戦までの十数年を「のけて」、前後をつなぐという歴史観です。 「その二〇年をのけて、たとえば、兼好法師や宗祇が生きた時代とこんにちとは、十分に日史的な連続がある。また芭蕉や荻生徂

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    shiraber 2016/09/26
  • 電通は日本のメディアを支配しているのか? - 内田樹の研究室

    「電通は日のメディアを支配しているのか?」と題するフランスのネット記事を翻訳しておく。 記者はMathieu GAULÈNE。配信は5月13日。 プリントアウトしたらA48枚に及ぶ長い記事だった。手の空いているときにちょっとずつ訳したら、7000字になった。 電通は日のメディアを支配しているのか? Mathieu GAULÈNE • Publié le 13.05.2016 http://www.inaglobal.fr/television/article/le-publicitaire-dentsu-tire-t-il-les-ficelles-des-medias-japonais-9000 電通は世界第五位のコミュニケーショングループで、日の広告市場の過半を握っている。日のメディアの自由に、とりわけ原子力産業について語る場合のメディアの自由に、強い影響力を行使している。 参

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    shiraber 2016/05/16
  • 日本はこれからどこへ行くのか - 内田樹の研究室

    先日若い研究者たちと話したときに、自分の立ち位置はどこかということが話題になった。私は自分の立ち位置を「大風呂敷を広げること」だと思うと言った。「屋」、人はそれぞれ自分の得意なスタイルで研究すればよいのではないかと申し上げた。 私は若いときからいつも「ウチダの論文は、話は面白いが論証が雑だ」と批判され続けてきた。その通りなので反論したことがない。でも、「面白い話」を思いつくと、どうしても黙っていることができないのである。 助手の頃、フランスの文芸理論家モーリス・ブランショがナチ占領下のパリで出した『文学はいかにして可能か?』という文体論を「検閲を逃れるために暗号で書いた自らの30年代の政治活動に対する総括」だという仮説から逐語的に読み直すという大風呂敷論文を書いたことがあった。学界では「バカなことを言うな」と一笑に付されたが、その後ブランショ自身が「あれは暗号で書いた政治論文である」

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    shiraber 2016/03/14