震災を機に、津波の生態系への影響を新たな研究テーマに選んだ八重樫さん=仙台市青葉区の東北大環境保全センター実験室 ◎サンプル失い、独留学へ 一番なくしたくないものを失った。 研究素材である水生昆虫のDNAサンプルだ。実験室の「ディープフリーザー」と呼ばれる冷凍庫に保存していた。 マイナス80度。解ければ、研究素材としてはもう用を成さない。東日本大震災の停電で駄目になった。 「研究者への道が一気に閉ざされる思いだった」。東北大大学院工学研究科で土木工学を専攻する博士課程2年の八重樫咲子さん(25)=北上市出身=は言う。 仙台市青葉区の同大青葉山キャンパスも3月11日、地震で多くの研究棟の設備や機器が壊れた。 「諦めが悪い」と人に言われる。「いったん転んでからが真骨頂」と自分でも思っている。今が、そのしぶとさを発揮する時だ。 「不謹慎だとも思うが、震災をチャンスに変えないと。大津
慶応大先端生命科学研究所(山形県鶴岡市)の大学院生2人が、従来の化学繊維より大幅に環境負荷の少ないタンパク質由来の生分解性繊維を合成することに成功した。強度と伸縮性の高さ、環境負荷の少なさなどが特徴。夢の素材といわれる「クモの糸」の量産化に道筋をつけた研究で、大手企業も注目しているという。 2人は博士2年の関山和秀さん(26)と、修士2年の菅原潤一さん(24)。関山さんは2004年からクモ糸の実用化に取り組み07年、菅原さんとともに研究所内にバイオベンチャー企業「スパイバー」を設立し、研究を進めてきた。 その結果、培養したバクテリアにフィブロインと呼ばれるタンパク質を合成させる量産技術や、大手メーカーとの共同開発による紡糸技術などを確立。高性能タンパク質繊維の合成に成功した。 関連した技術数件の特許を出願しており、国内外の企業数社からも共同研究の申し出があるという。 新素材は「生産
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