愛知県大府市は二〇一八年度から、認知症の市民が徘徊(はいかい)中に事故などを起こして損害賠償を求められる事態に備え、市が保険料を肩代わりする制度を新設する。市によると、自治体によるこうした取り組みは全国で二例目。関連費用として数十万円を一八年度当初予算案に盛り込む。 対象となるのは、認知症の市民が交通事故や暴力行為で第三者にけがをさせたり、物を壊したりしたケースなど。徘徊の恐れのある人を発見・保護しやすいように、家族の申請などで事前に登録する制度をつくる。 登録者の保険料(一人当たり年二千円程度)を全額、公費で負担し、個人賠償責任が認められた場合、最大一億円程度の限度額内で、保険金が保険会社から支払われる。一八年度は百人程度の登録を見込んでいる。本人が亡くなったり、入院や通院したりした場合の補償はない。