北九州市で、2010年2月に血液疾患患者から分離されたオセルタミビル耐性新型インフルエンザウイルス(A/H1N1pdm)についてその概要を報告する。 血液疾患患者は、2009年12月下旬に入院後、2010年1月初旬に発熱があり、オセルタミビルを内服したが、翌日のインフルエンザ簡易診断キットでA(+)であり、症状の変化は見られなかった。10日後も発熱が持続していたため、咽頭ぬぐい液を採取し、リアルタイムPCRを行った結果、A/H1N1pdmを検出した。この咽頭ぬぐい液をMDCKに接種し、3代継代したが、ウイルス分離には至らなかった。2月初旬にサイトメガロウイルス肺炎の悪化に伴い呼吸不全となり、簡易診断キットA(-)であったが、気管吸引液からリアルタイムPCRによりA/H1N1pdmを検出した。気管吸引液からウイルスが分離され、国立感染症研究所(感染研)から配付された2009/10シーズンイン